異世界召喚されたらお前は聖女じゃないと言われて殺されかけた女性が、不機嫌系美形の元帥閣下に拾われるお話です。
「聖女としての適性は、こちらのマフユ様の方が高く――ご決断を、国王陛下。この世に聖女が二人いてはならないのです」
聖女、とか。国王陛下、とか。
現代日本に居たらまず耳慣れないはずの言葉が目の前でやりとりされている。
え、なに。聖女っていったいどういうこと。
目が覚めたらいきなり妙な建物――お城? の中にいて、隣には全く知らない、わたしよりも若い女の子。可哀想にブルブル震えているその子の名前が、おそらくはマフユだ。
だって、わたしの名前は夏凛。松崎夏凛。
この間二十五歳の誕生日を迎えたばかりで、ついでに派遣先の会社から契約終了を言い渡されたばかりだ。それでついついお酒を沢山飲んで――そこからの記憶が、まるでない。
「ふむ、ならばより適性が高い方を取り立てるに決まっておるだろう。もう一人の聖女は……そうさな、まかり間違えても国に害をなすことがないよう、首と胴体を切断して国の東西に埋めるか――」
「は!?」
首と胴体を、なんだって?
なんか恐ろしいことを言われた気がするし、隣でぺたんと座っていたマフユちゃんがこちらを見る。
……自分じゃなくって本当に良かったって、安堵する顔だ。
「ま、待ってください! いきなりなんなんです……訳もわからないのに首と胴体を切断って、いったいどういう理由で――」
「貴女方は、ここから違う世界から我が国のために召喚された聖女様です。本来聖女様は一人のみの召喚なのですが……魔術師団の元帥が欠席しているせいで座標が狂ってしまいました。本来はマフユ様、貴女だけがこの場に召喚されるはずだったのです」
黒いローブを着た男性が、そう言って隣の彼女の前で腰を折った。
視線を彼女から一切逸らさず、わたしの言葉に答えてはいるもののまるで居ないもののように扱ってくる。
「魔術、師団……? ここは、日本じゃないんですか……」
マフユちゃんが小さい声で訪ねると、ローブの男性は一度咳ばらいをして、背後に立っている小太りの男性を示した。
重そうな衣装を身に着けているけれど、目つきが――前の職場でパワハラを強いてきた、嫌いな上司に似ている。
「これなるは当代ヴァーテミルド王国国王、アドラス三世陛下です。ヴァーテミルド王国は魔術大国、五つの魔導大隊と九つの属州を持つ大陸最大にして最強の国であるのです。そして聖女様、貴女は選ばれた。ニホンという異世界の国から、この国を守る聖女として選出されたのです」
「聖女……わたしが、聖女様……」
日本では到底聞いたことがないような国と人名――ローブの男性が「異世界」と言った通り、ここは魔術というのが存在する、元々の世界とはまるで違う世界なのだろう。
「わたし、異世界で死ぬんですか。なんの準備もなく、なにも悪いことなんてしていないのに……聖女じゃないから、首と胴体真っ二つにされて死ぬってことですか」
「……本物の聖女ではないにしろ、魔術師たちの召喚に応じた以上は高い魔術の適性があります。それで我が国を呪われたらたまったもんじゃない。手っ取り早く始末してしまうのが、全てが丸く収まるでしょう」
「そ、そんな勝手な!」
そりゃあこの国は丸く収まるかもしれないけれど、そんな身勝手な理由で殺される方の身にもなってほしい。
確かに元々の世界に、いい思い出はあんまりなかった。就職だってうまくいかなかったし、派遣先の会社ではパワハラばかり。さらには契約解除で無職になる予定ではあったにしろ、勝手に殺されるよりは全然マシだ。
「衛兵。王の御前で血を流すわけにはいきません。広場で彼女の処刑を――」
ローブの人が、近くにいた兵士にそう声をかける。
――人間っていうのは、ここぞという時にあり得ない力を発揮するものだ。
「やってられるか――わたしは、まだ死にたくないの!」
知り合いが誰もいない土地で、首を斬られて寂しく死ぬなんて絶対に嫌だ。
震える足を叱咤して立ち上がり、全力でその場から駆け出す――すると、わたしが逃げるとは思っていなかったらしいローブの人も、国王も、衛兵も、一瞬だけ動きが鈍くなった。
「偽の聖女が逃げた! 追いなさい、決して逃がすな!」
誰が偽物だ。そっちが勝手に決めたんじゃないか。
背後から響いてくる声を聞きながら、わたしは部屋の外から転がるようにして逃げ出した。建物の中だといつか追いつかれてしまうから、茂みにでも隠れて少しやり過ごそう。
窓を開けて外に飛び出し、周囲に人がいないことを確認して手ごろな物陰に隠れる。
ガシャガシャと鎧の音が近くを通り過ぎていったが、どうやらこちらには気付いていないようだった。
「よかった……と、とりあえずこのお城から逃げないと……」
とはいえ、知らない世界なのだから当然土地勘もない。
どうやったら城から出られるのか――それを考えていると、ふっと目の前が暗くなった。
「……そこで何をしている? 城の侍女にしては、ずいぶんと品がない格好だが」
「え、ぁっ……あの、わたし――」
「……いや、違うな。お前からはこの大陸の――いや、この世界の人間の気配がしない」
誰かが、わたしを見下ろしていた。
艶めいた銀髪を束ね、黒と金の軍服に身を包んだその人は、じっとこちらを見て眉を寄せている。
――終わった。
見た目からして、彼は軍人だろう。軍人ならわたしのことを捕まえて、さっきのローブの人に突き出すはず。
サーっと血の気が引いていくのを感じながら、わたしは思わずその場にへたりこんでしまった。
「おい、大丈夫か? ……異世界から召喚されたのだろう? 聖女であるなら、宰相と国王はどこだ」
「い、いえ……あの、わたし、聖女じゃ……」
「とぼけたことを言うな。本日正午から、魔導師団の連隊長クラス以上が緊急招集されている。聖女など下らん生贄だと断わりはしたが――お前の魂を見ればわかる。異世界から召喚された者は、この国では聖女と呼ばれて祭り上げられるんだ」
魂を、見る。
彼の言っていることの意味が全く分からなかったけれど、とにかくわたしは聖女ではない。その資格さえも与えられなかった。
「……聖女は、もう一人の女の子の方です。わたしは間違えて召喚されたって――師団長? がいないから、座標が狂ったって言われて……逃げてきたんです」
「なに? 師団長がいないから座標が狂って召喚に失敗しただと?」
チッ、と低く舌打ちをしたその人は不機嫌そうな表情を浮かべると、わたしの腕を引いた。
そうして無理矢理私を立たせると、彼は紫色の瞳で顔を覗き込んできた。
まるで人形のように端正な――それでいて、男性的な艶めきを持ったその顔立ちは、イライラしているせいもあるのかかなりの迫力だ。
「わ、っ」
「それで、お前の身の上は。端的に説明せよ」
「い、命を狙われてます。聖女の資質が低いから処刑するって言われて――」
「なるほど。あの陰険宰相の言いそうなことだ……少し、ここで待て。俺がいいと言うまで言葉を発することも、音を出すことも禁止する。できるだけ静かに呼吸をして待っていろ」
彼はわたしの肩に手を置いてなにかを呟いて、それからどこかへ行ってしまった。
訳も分からず立ち尽くすわたしは、けれど彼の言葉を律義に守ることにした。なぜか、その言葉を守らなければならないような――強い使命感が、ふらつくわたしの足をなんとか踏みとどまらせてくれる。
そうして――時間にして、大体三分ほどだろうか。
思っていたよりも早く、彼はこちらに戻ってきた。
「命の心配は必要ない。話はつけてきた……お前、名前は」
「えっ、話って」
「名前」
「カ、夏凛です。松崎夏凛ともうしますっ!」
銀髪を揺らす彼は相変わらず不機嫌そうだったが、「カリンか……」と呟く声は先ほどよりも少し軽やかだった。
「あの……命の心配はないって、どういうことですか」
「お前の命は俺が貰いうけた。俺がいないせいで召喚が失敗しただとかのたまう宰相殿には、それなりに礼をしてきたところだ」
「あなたがいないせいで?」
頭の中で、点と点がうっすらとつながる。
さっきのローブの人が、彼の言う「宰相」だとするなら――つまり彼は。
「当代魔導師団元帥、リディド・ハルマーク。ハルマーク公爵と呼ぶ人間もいるが、大体の人間には元帥と呼ばれている」
「じゃあ、あなたがいないから……わたしたちは二人で召喚されて」
「馬鹿を言え。召喚に失敗したのは宰相と他の魔術師たちの実力不足だ。確かに俺がいれば成功率は上がったかもしれんが……下らんことには付き合わない主義だ」
そう言いながら、リディドさんはぐいっとわたしの腕を引っ張った。
「い、いたたっ……なにするんですか!」
「帰るぞ。そもそも俺は七日間も王宮に籠りっぱなしで、国境の結界を修復していたんだ。……魔力も睡眠時間も足りていない。残った仕事はお前を家まで連れて帰ることだけだ」
「家まで……って」
「帰る家すらないのだろう。宰相に捕まれば今度は火あぶりと言われかねん。……言ったはずだ。お前の命は俺が貰いうけたと。国王陛下に直訴して、お前の体は我がハルマーク公爵家が保護することになった」
あのくそジジイ、という声が聞こえた気がするが、保護――つまりは、死ななくても良くなったということで。
「さぁ、帰るぞカリン。……マツザキカリン」
「え、なんでフルネーム?」
そう尋ねたけれど、答えは返ってこない。
元帥閣下の横顔は麗しくも不機嫌そうで、結局わたしはその日から、公爵家の賓客として彼のもとで暮らすことになったのだった。
● ● ●
「カリン様、お時間でございます」
「……はい。今行きます」
ハルマーク公爵邸――リディドさんの家は、それは大きなお屋敷だった。
公爵家の賓客、異世界からの客人としてこの家に迎えられたわたしの部屋は、ベッドがある一室だけで日本で住んでいたアパート一部屋が丸ごと収まる。
魔導師団元帥であるという彼は元々王族の遠戚で、その実力も相まってとてつもない権力を持っているらしい。
「あの、またリディドさんの部屋まで連れて行ってもらっていいですか? どうしても迷っちゃって……」
「えぇ、構いませんよ。似たようなお部屋が多いですから」
お屋敷に仕えている執事のハルバートさんは、無一文で異世界にすっ飛ばされたわたしの世話をよく焼いてくれた。
いつも――彼に提案された『条件』を果たしに行くときは、こうして彼の部屋まで案内してくれる。
「こちらが旦那様の寝室です。それではカリン様、明日の朝またお迎えに……いえ、それは大丈夫ですね。朝食はカリン様の好きな白パンの巣蜜乗せをご用意します」
わたしをリディドさんの部屋まで案内すると、ハルバートさんはそう言って腰を折り、そのまま行ってしまった。
お屋敷の中でも奥の方にある、リディドさんの部屋――聖女として資格ナシとの烙印を捺されてしまったわたしに、彼は手厚い庇護の対価としてあることを求めてきた。
「し、失礼します」
「遅い」
相変わらず不機嫌そうな顔のリディドさんが、ベッドの上で腕を組んでいる。
軍服ではなく、バスローブによく似た軽装の彼は、わたしが部屋に入るなりふっと息を吐く。
「また迷っていたのか?」
「今回はちゃんと、ハルバートさんに送ってもらいました! ……このお屋敷が広すぎるんだもん」
「貴族の屋敷なんてみんなこんなものだろう。……まぁいい。カリン、いつものように頼む」
不機嫌そうな顔――せっかく整っているのに、いつも何かに怒っているような顔のルディドさんだったが、実は全く怒っているわけではないらしい。
彼は若くしてハルマーク公爵の地位を継ぎ、国内トップクラスの実力をもって魔導師団を束ね挙げたが、出る杭は打たれるというか、それに反対する人も多いわけで――威厳を持たせるために常に渋い顔をしていたら、それが癖になってしまったらしい。ちなみに情報源はハルバートさんだ。
「……あの、じっと見られると辛いんですが」
「俺も辛い。王城での仕事を済ませてから三日、まともに眠っていないんだ。あの宰相、俺の体質をいいことに次から次へと書類を持ってきやがって」
……前言撤回。今は割と怒ってるみたいです。
ともかく――彼の暗い表情には威厳を出すためのパフォーマンスという一面と、もう一つ……不眠症というのっぴきならない事情も併せ持っていた。
元々体内に宿す魔力の量が莫大なリディドさんは、その力の強さゆえに眠りが浅いらしい。体内の魔力が勝手に危機管理を始めるため、少しの物音でも完全に意識が覚醒してしまう。
それが、元帥として戦線に立つことになってからは悪化したのだという。
「聖女の適性というのは、魔力が高いとか低いとかの問題じゃない。俺のように特異体質を持つ人間の魔力暴走を静めることができる適性だ。この国で言うと……俺や宰相か。国王はお飾りみたいなものだからな」
――とは、リディドさん本人の言である。
わたしには、マフユちゃんほどではないにしろそれなりに適性があったらしい。だから間違えて召喚されてしまったのだ。
そんなわたしに、彼は条件を提案した。衣食住と命の心配は一切なく、公爵家の客人として手厚い保護をする……その代わり、彼の体質の改善をすること。
「じゃ、じゃあ……失礼しますね」
口の中に溜まった唾液をごくっと飲み下したわたしは、ベッドではなく床に跪いた。
そして、彼が着ているバスローブの腰ひもをするりとほどいた。
「うわ……今回は、いつにもまして……」
「寝不足に加えて欲求不満だ。――また催淫魔術をかけてやるから、痛みは心配するな。……たっぷり癒してもらうぞ、俺の聖女様」
服の下から現れたのは、彼のおなかについてしまうくらいに反り立ったガチガチのペニス……魔力を放出できないとこうなってしまうらしく、更に不眠もひどくなるのだという。
わたしは定期的に彼と体を重ね、その魔力を放出、更には沈静化させるという役割を与えられていた。
「また、魔術……お願いします。やっぱりちょっと、恥ずかしくて」
「承知した。――俺の目を見ろ、マツザキカリン」
子供の腕くらいある太さと長さのそれを受け入れるのは、少し難しい。
最初にこの役目を言い渡された時、わたしは彼にそう告げた。今まで付き合ってきた恋人たちと比べても、彼のおちんぽは規格外に大きい。
そこで彼は、感覚を過敏にし快楽に変える魔術法――催淫魔法をわたしに使ってくれた。こうすれば大きすぎる彼のソレを受け入れても、痛みはない。
「ぁ……く、ぅ」
「体から力を抜いて――息を吐き、吸って。俺の声だけを聴いてくれ」
「ん……ン、リディド、さん……」
体が――熱く、なる。
頭の芯がぼんやりして、心臓がドクドクと跳ねた。目に映っているのはリディドさん……いや、ご主人様だけ。わたしのご主人様。大好きなリディド様……優しく頭を撫でられると、思わず腰が跳ねた。
「ひゃ、んっ♡」
「前よりも魔術への耐性が低くなったな。カリン、俺が誰だかわかるか?」
「ぁ……リディド様♡わかります、わたしの大好きなご主人様……今日もカリンが、ご主人様のおちんぽを一生懸命お慰めいたします♡」
床に膝をついたまま、反り立つ大きなおちんぽにくちづけると、ご主人様はくっと低く息を吸った。
何日も多忙でお屋敷に帰ってくることができず、さぞかし辛かったに違いない。
わたしはれろぉ……♡と幹の部分に舌を這わせ、大きく張り出たカリから鈴口まで何度もキスをした。
「ん、んふぅッ♡♡ご主人様の匂い……苦くて、甘くてっ……おまんこキュンキュンしてきちゃう……♡」
そのまま先端にしゃぶりついて、ぢゅるぢゅる♡と音を立てながら頭を上下に動かした。
ご主人様のおちんぽは大きいから、わたしの口だけじゃ足りなくて手も使うことになる。一生懸命手と口でご奉仕していると、大きな手のひらがそっとわたしの頭を撫でてくれた。
「ん゛っ♡んぐっ♡♡れろれろれろぉ♡♡んふぁ♡ぁ♡♡リディド様♡カリンのお口でいっぱい気持ちよくなってください♡」
「あぁ……心地いい。お前は体温が高いから、口で奉仕されると気持ちがいいよ」
あぁ――褒めてもらえた。あの厳しいご主人様に褒めてもらえた……!
嬉しくなると同時に、おまんこからどぷっ♡と蜜が溢れ出す。堪え性がないわたしは、少しご主人様に優しくしていただけでいやらしく発情してしまうのだ。
「んッ♡ん……♡♡ごひゅじんひゃま……♡んちゅっ♡♡ちゅ……♡」
夢中になって口腔奉仕をしながら、空いた手で自分のおまんこをかき回す。
すでにぐちょぐちょになっていたそこを指先で弄ると、ご主人様が眉を顰める。
「一人で慰めるなと、いつも言っているだろう。立ち上がって、こっちにこい」
「ぁ、ごめんなさい♡我慢できなくてっ……ひ、ぁんっ♡あ、ご主人様っ♡♡」
火傷しそうなくらい熱い、ご主人様のおちんぽ――その切っ先が、トロットロに蕩けたわたしのおまんこにキスをした。
「入れるぞ」
「えっ――ぁ、ひゃ、あふぅっ♡♡」
ずちゅっ……ぬぷぬぷっ♡
あ゛♡イッた……入れられただけで、ほんの先っぽを挿入されただけでイッちゃった♡
「ぁひっ♡ひんっ♡♡あ♡♡あ゛ぉっ♡♡♡」
「んっ……やっと俺の形になじんできたな? きゅうきゅうと物欲しそうに締め付けて――魔術をかける前から発情していたんじゃないか?」
「ち、がっ♡♡あ、ァんっ♡♡ちがいませんっ♡♡♡はつじょーしてましたぁっ♡♡あ゛っ♡おちんぽっ♡♡♡リディド様のおっきなおちんぽで♡♡おまんこぬぽぬぽされるのそうぞうして♡ドキドキしてましたぁ♡♡♡」
ご主人様の魔術はとっても強力だ。
お屋敷にいる間はなんでもないですって顔をしているけど、心の深い場所――深層心理では、ずーっとご主人様におちんぽハメハメしてほしくて仕方がなかった。
「あっ♡♡ぁ゛あ゛~~~~♡♡♡ンひぁっ♡奥ッ♡♡♡奥ズンズンされてッ♡♡♡」
ぐっちゅぐっちゅぐっちゅぐっちゅ♡♡ぐぽっ♡ぬぽっ♡♡
エッチな音を立てながら、ご主人様はしっかりとわたしの腰を押さえつけておちんぽを突き上げてくる。
抱き合うような形でされるがままになっているわたしを、優しいご主人様はぎゅっと抱きしめてくれた。
「ッく、心地好いぞ、カリン……!」
「んふ、ぁっ♡あ゛っ♡♡ありがとうございまひゅ♡♡んひっ♡ピストンはげしいっ♡♡気持ちいいのっ♡♡いっぱいきてるぅ♡♡♡」
ぐぢゅっ♡と果物をつぶすような音が聞こえると、ご主人様は一度腰を止めた。
だけどおちんぽは一番奥まで入ったまま――ぢゅうぅぅぅ~~~~♡♡♡と子宮口にキスをするみたいに先端をくっつけられて、手足がビクビクと痙攣してしまう。
「あへっ♡ッくひぃンっ♡♡おちんぽっ♡♡しきゅーこーにディープキスしてるぅ♡♡」
「相変わらずお前は、俺の理解できない言葉を使う……少し緩急をつけるぞ」
そう言うと、リディド様はわたしの体をベッドの上に乗せ、ぺろりと舌なめずりをした。
背中が柔らかいベッドに当たって、ひんやり冷たいシーツがわたしの体を冷やしていく。それに心地よさを感じていると、ご主人様はゆっくり、ゆっくりとおちんぽを引き抜き始めた。
「んくぅ……ひっ♡んくぅうぅぅっ♡♡」
ぬ゛っぷぅ……♡ぬぢゅぅ~~~♡♡♡ぢゅぽっ♡
ぐにっ♡ぬぷぷっ……♡♡♡ずちゅんッ♡♡♡
「あ゛ひっ♡い、いきなり奥までぇ♡♡♡」
ゆっくりと引き抜かれたおちんぽは、次の瞬間勢いをつけて最奥に突き立てられる。
たっぷり焦らされたかと思った途端に与えられる鋭い刺激に、わたしは口の端からダラダラとよだれをこぼして身悶えた。
「ッは、カリンっ……」
「あふっ♡あ♡ごしゅじんしゃま♡♡♡イくぅ♡♡気持ちよすぎてっ♡♡ご主人様より先にイッちゃうのぉ♡♡」
「ここまで――できあがっていれば、もう大丈夫だな。魔術を、解くぞ」
頭の奥が焼き切れそうになるような快楽の中、ご主人様がわたしの髪をするりと撫でた。
それが合図――耳元で指を弾く音が聞こえた途端、わたしの意識は一気に現実味を帯びた。
「んあ゛ぁっ♡♡やっ♡ッくぁっ♡♡♡にゃにっ♡♡なんれっ、イッ……ああっ♡♡♡」
「……ッ、締めすぎだ、カリン……」
濡れた声が鼓膜を叩くけれど、わたしはそれどころじゃない。
イッている状態で催淫魔法を解かれ、おまんこの中に極太おちんぽをギチギチにねじ込まれたわたしは、連続で絶頂を極めながらリディドさんの背中にしがみついた。
「んあぁっ♡♡太いのキてるっ♡♡」
「随分積極的だな。そういうのは嫌いじゃないぞ……奥を思い切り突き上げられるのが好きなんだろう?」
ぐぽっ♡ぬぽっ♡ぐっぽぐっぽぐっぽ♡♡♡
いつもの不機嫌さはどこへやら、楽しそうに腰を動かして何度も一番奥を穿ってくるリディドさんは、ぐちぐちっ♡と子宮口をいじめながらべろりとわたしの唇を舐めた。
「口を開けろ、カリン」
「ふ、ぇ……んぇっ♡♡ん゛ッ♡♡♡んんぅぅうっ♡♡♡」
ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ♡♡♡ぬろぉ~~~~♡♡♡
ずっこずっこずっこずっこ♡♡
口の中を目一杯舐められて、同時に激しくおまんこをズコズコされる。そうなるともうダメで、イッてもイッても終わらない快楽の中でわたしはひたすら喘ぐことしかできなかった。
「らめぇぇっっ♡♡♡イッてるのっ♡今イッてるからおちんぽズコズコしちゃらめなのぉっ♡♡気持ちよすぎでバカになっちゃうよぉ♡」
「何をいまさら――たっぷりと俺の精を受け止めてもらわないとならないんだぞ」
「んひぇっ♡あ゛っ♡♡♡イくっ♡またイッちゃう♡♡ぬぽぬぽされながらイッちゃよぉ♡♡♡」
突き上げられる強さで上に逃げようとしても、リディドさんがわたしの体を押さえつけているせいでそれもできない。
わたしはされるがままになって、ひたすら彼の濃厚なキスと力強いピストンを受け止めることしか許されていないのだ。
「んんぅぇっ♡んひぃっ♡♡あ゛~~~♡♡らめっ♡んあ゛ぁっ♡♡♡」
先ほどの緩やかな抽送の方が、まだ耐えられたかもしれない。
催淫魔法を解かれても体に与えられた快楽が消えるというわけではないので、蓄積していった熱が強い突き上げで一気に限界を迎えてしまう。
「んお゛ぉあ♡♡んひっ♡♡ひ♡おまんこきゅんきゅんしちゃう♡♡あっ♡あっ♡♡あんっ♡♡♡」
「カリン――俺の聖女。俺だけの聖女……胎の中に、たっぷり子種を注いでやろうな」
「っ、ふぇ……♡せーえき……♡」
「あぁ、そうだ。俺の精液を、お前の子宮の中にたっぷり注ぎ込んで――孕ませてやろう。どうせお前はもう、この俺の側から離れることなんてできないんだから」
耳元で囁かれる低い声だけでイッてしまいそうになる。
そうか――ここから出ればわたしは命の保証もされていない。元居た世界に帰ることができるかどうかもわからないんだ。
……それなら、彼の提案はとっても魅力的じゃないか。
「どうする? カリン、俺の聖女様……いや、まどろっこしい手を使うのは俺も好きじゃない。……マツザキカリン」
「く、ひィんっ♡」
名前を呼ばれただけで、心臓をぎゅっと掴まれたみたいになる。
だめ――おまんこ、きゅんきゅんするの止まんない♡いつもはリディドさんに名前を呼ばれただけじゃ、こんな風にならないのに♡
「魔術師相手に本名を教えるのは、あまり関心できることじゃない。……特にフルネームはいけないな」
「だ、って……リディドさん、だってぇッ♡♡」
軽イキを繰り返しながら抗議を試みてみると、彼は美しい顔をより美しく歪めて笑った。
「『リディド・ハルマーク』の名前は世襲制だ。俺の真名は別にある……お前が心から俺に堕ちてくれたら、教えてやろう」
そう言いながら、柔らかいキス。
今はもう、それだけで頭の奥がジンジンするくらい気持ちいい。
「ぁ、あへっ♡あ゛っ♡♡♡」
「それで、答えは? カリン、俺のものになるよな?」
そんなこと――そんなことを言われたら、わたしはもう頷くしかない。
だってそうしたら……リディドさんに、いっぱいエッチしてもらえるから。子宮の一番奥まで精子どぷどぷってしてもらえて、たくさんイかせてもらえるから♡
「な、るぅ♡なりましゅ♡♡なるからっリディドさんのお嫁さんになりますからぁ♡♡いっぱいハメハメして♡奥までおまんこズコズコってされて喜ぶえっちなお嫁さんになります♡♡」
「あぁ――お前の同意が得られて嬉しいよ、カリン。……異世界から来たお前の名を聞いておいて、本当に良かった」
ずこっ♡ずこっ♡ずこっ♡ずこっ♡♡♡
「ッひ♡ぁひんっ♡♡♡ひぁあっ♡」
「俺にしか縋れないお前が、慣れない手つきで夜伽をする姿は――最高に心くすぐられたよ。催淫魔法ですっかり快楽のとりこになったお前もまた美しかった」
「んぁあっ♡うれ、しっ♡♡すき♡リディドさんっ♡♡すきですっ♡♡♡」
そう言って舌を突き出すと、リディドさんはぢゅるるるるっ♡♡♡と唾液ごとを舌を吸ってくれた。
「んんっ♡♡んぶっ♡♡んへぇっ♡♡♡」
「っは、ハ……全部、出すぞ――カリン、お前の中にッ……」
「出して♡出して下さい♡♡♡カリンのこと、リディドさんのお嫁さんにしてぇ♡」
どぷっ♡どぷぷぷぷっ♡♡♡びゅるる♡びゅ~~~~♡♡♡
「あへぇ~~♡♡ひぐっ♡イくのぉっ♡♡おまんこにせーしびゅーびゅーされてイッちゃうぅ♡♡♡」
勢いよく吐き出された精液が、わたしのお腹の中をいっぱいに満たしてくれる。
熱くてこってりどろどろの精液――子宮の奥で暴れまわるそれを感じながら、わたしはふっと意識を手放した。
――眠りに落ちる間際、リディドさんがなにかを呟いていたことなんて、すっかり気が付かないまま。
● ● ●
「奥様、旦那様からお手紙が届いております」
「ま、またですか? えっ……リディドさん、今国境の砦にいるんですよね?」
「飛竜特急便を使っているので、手紙くらいならすぐですよ」
あの夜から、少し経って。
わたしは正式にリディドさんと結婚をすることになった。聖女ではなく、異世界からやってきて命を狙われていたわたしは、いつの間にかハルマーク公爵夫人としてこの屋敷の女主人を任されている。
「……昨日も手紙送ってきてたのに。リディドさんったら」
開いた手紙の中には、もうすぐ彼がこちらに帰還するという胸の文章が綴られていた。この世界の文字は日本語とは全く異なるが、リディドさんやハルマークさんをはじめこの屋敷の人々が根気よくわたしに文字を教えてくれた。
「……またこんな恥ずかしいことを書いて……!」
「旦那様、あぁ見えて筆まめでしょう? なんです、情熱的な愛の言葉でも記されておりましたか?」
ハルバートさんは優しく笑うけど、手紙の内容は情熱的どころじゃない。
――今日も眠れなかった。明日はお前を抱いて眠りたい。
……きっと朝まで放してもらえないんだろうな。
諦めたように笑ってみせるけど、子宮の辺りがきゅんっ♡と疼くのは止められやしなかった。