Skebでご依頼いただいた、贄に捧げられたお姫様が元勇者の魔王様に溺愛されて幸せなお嫁さんになるお話
※触手ありますが、触手の挿入はありません。挿入は魔王様だけです。
「お前のような者にも使い道ができたのだ。これまで通り潔斎に努め、国と民のために尽くしなさい」
「……はい、お父様」
憂鬱な気持ちで謁見を終えた私――ユスティーナ・プレツィタ第三王女は、ゆっくりと頭を下げてその場を辞した。
クスクスと笑う兄姉にできるだけ反応しないよう、頬の内側を軽く噛む。
(ようやく、私でもお役に立つことができる……)
人がたくさんいる場所は苦手だ。官吏たちが居並ぶ玉座の間は、私には少し居心地が悪かった。
人気のない城の奥、うら寂しさすら感じる離宮へと戻ってきてから、深く息を吐く。
「儀式まで、あと少し……ようやく楽になれるのね……」
栄光の千年王国と呼ばれるこの国――メリフェット王国は、数百年前から強力な呪いに蝕まれていた。
事のきっかけは、当時人々を苦しめていた魔族の王を勇者様が打倒したこと。
あまりに強大な魔王を命と引き換えに倒した勇者様だったが、彼をもってしてもその呪いを抑えきることはできなかったという。
(かつての勇者様のように、命を賭して国を護るのが王族の使命……今まで私のような人間が生きてこれたのだって、この儀式のためだもの……)
破邪の力を宿すと言われている、銀色の瞳を持った勇者様。
お伽噺で語られるのは、彼がいかに高潔で素晴らしかったか、そしてその犠牲がどれほどに尊かったのかということばかりだ。
そんな勇者様と同じように、私も自分の命と引き換えに国を蝕む呪いを引き受ける。それこそが、私の生まれてきた意義でもあった。
「……やっと、お母様と同じところに行けるんだわ」
この国のしきたりでは、数年から数十年に一度、王族のうち一人が『贄の巫女』として生贄に捧げられる。
国中を蝕む魔王の瘴気が増し、魔物が増えた頃合いで贄を差し出し、その命をもって国土の浄化を行わなければならないのだ。
そして、当代の『贄の巫女』は私だ。王族の中で最も名誉ある、崇高なお役目――それを果たすために、幼いころから俗世を避けて王宮の中で育てられた。
「……どうか、どうか民が平穏でありますよう。この国が、いつまでも平和でありますよう……」
いつものように、誰もいない部屋の中で祈りの文句を口にする。生まれ持った使命を全うするため、日に何度も唱えているこの祈りの言葉が、どうしてだかとても空虚のようなものに思えた。
「っ……」
……本当はわかっている。王である父が、贄として気軽に差し出せる「王族」を作るため、侍女だった母を無理矢理孕ませたことを。
そこに愛などはなく、平民でありながら王の子を宿した母は私を産んですぐに死んでしまった。
そして、身分の低い母から生まれた私は後ろ盾もなく、自分が死ぬ時をただ待ち続ける日々を送っていた。
「おかあさま……」
死ぬのは怖い。
だが、それと同じくらい――いや、それよりももっと、誰にも必要とされていないこの孤独が恐ろしい。
兄姉たちからはいないものとして扱われ、父ですらも私のことを愛してなどいない。頼れるものがいない中で、私の拠り所はこの国に昔から伝わっている勇者様の話だけだった。
(お母様も勇者様も……きっと、天にまします神の御許にいるはず。私もお役目が終わったら、そこに行けるんだから――だから、怖いなんて思っちゃいけないのに……)
この国の子どもならば誰もが知っているような昔ばなしでは、勇敢に戦いぬいた勇者様の魂は、神に最も近しい場所にあるらしい。
身分の卑しい私が同じような場所に行けるとは思わないが、せめて国のために死ぬことができたのなら、母と同じ天の国へと迎え入れられるのではないか。
恐怖でひしゃげそうになる心をそう慰めて、私はひたすら祈りを続けた。
それがただ自分の心を慰めるためだけの祈りだとしても――そこに縋らなければ、正気を保っていられそうもなかった。
● ● ●
「ユスティーナ様、儀式のお時間が近づいてまいりました。禊は済まされましたか?」
「……はい」
そして、冬の冷たい空気が満ちたある日のこと――儀式の決行が国王によって宣誓され、私は王宮の地下にある祭壇の間へと向かうことになった。
冷水で身を清めた私は、数人の官吏たちによって地下へ案内される。
「内部には祭壇がございますので、そこにおあがりください。目を閉じていれば、すべてが終わっております」
「……はい」
国の安寧を祈るための、贄の儀式。
そこに向かう私の足は鉄球でもつけられたかのように重たかったが、官吏たちは皆笑顔を浮かべていた。
当然だ。私がここでお役目を全うすれば、向こうしばらくは国の中が魔物に脅かされることはない。
多くの民を救うことができるのだから、一人の犠牲など安いもの――私だって、当事者じゃなかったらそう考えるだろう。
「……ここからは一人で参ります。あなた方は下がってください」
「かしこまりました。それでは、失礼いたします」
不格好に震えた声で、決められた言葉を口にする。
そそくさと来た道を戻っていった官吏たちの背中を眺めてから、私は一度だけ大きく深呼吸をした。
(大丈夫。何も怖くない……お伽噺の勇者様は、もっと恐ろしい相手と戦ったんだもの……)
何度も何度も自分にそう言い聞かせ、祭壇の間に足を踏み入れる。
地下なので当然窓などあるはずもなく、ひんやりとして薄暗い室内は、掃除の手も入っていないようだった。
「……これは?」
しっかりとは見えないのだが、砂のようなものが部屋の隅に堆積していた。あれほど埃が積もるだろうか――そう思って目を凝らしてみたことを、私は心の底から後悔した。
「っひ……!」
アレは骨だ。
古びて折り重なって、下の方は砕けて粉々になっているが――上の方にはまだ、形が残っている。
赤茶色のなにかがこびりついた細い骨を発見して、私はいよいよ恐怖に震えあがった。
(私も……今から、魔物に食べられるんだぁ……)
助けてと声を上げても、助けに来てくれる人なんているはずもない。
だって私は、この瞬間のために生かされてきたのだから。魔物に頭から食われて死ぬことだけが、王宮における私の存在意義だったのだから。
「……っ、ふ、ぁ……」
ガクガクと震える足を叱咤して、キツく目を閉じる。
最後の情けとして、私の手元には細い布が握らされていた。自らが食らわれる瞬間を見なくて済むよう、目隠しとして使えということらしい。
「だ、だい……大丈夫……何度も考えて――練習してきたじゃない……」
お父様が儀式の決行を宣言してから、恐怖を消し去ろうと何度もその場面を頭に描いてきた。
大丈夫、痛いのはきっと一瞬だ。その一瞬が過ぎ去ればすべてが終わる。
ごくっ……と唾液を飲み込んで、なんとか祭壇へと上がった私は、その上へと体を横たえて胸の前で手を組んだ。
目元を渡された布で覆ってしまえば、もう何も見えはしない。
(そうだ……これで、やっとお役目を果たして楽になれるんだもの。すべてを委ねてしまえば、次はお母様に会えるかも……)
そう思うと、なぜだかとても心が穏やかになった。
それまで震えて、怖がっていたのが嘘みたい。凪の海に似た心地になった私はふーっと息を吐き出してその時を待った。
「……ん」
すると、なにかが部屋の奥から這いずってくるような音が聞こえてきた。
ずり……ずり……と重たいものを引きずるような音を響かせながら、それは私の元へと近づいてきている。
(あぁ、これが――)
この近づいてくるものが、この国を数百年にわたり呪い続けているなにかなのだろう。体を横たえている祭壇のすぐそばまで「それ」が這い寄ってきた時、私は胸の上で組んだ手を強く握りしめた。
(これでようやく……楽に、なれるんだ――)
できれば苦しまないよう、一撃で息の根を止めてほしい。
そんなことを考えていると、なにかが組んでいた手にぬるりと触れた。
「っ……」
冷たい――いや、温かい。人肌程度のぬくもりを持った柔らかいものが、まるで覆いかぶさるかのように私の体へとまとわりついてくる。
ぬめりを帯びたその質感に声を上げそうになったが、思い描いていた苦痛や冷たい死の一撃はいつまで経ってもやってはこなかった。
「あ、あれ……?」
だが、それはうぞうぞと私の体の上で蠢いている。
視界を覆ってしまったことでなにが起きているのかはわからないが、簡素なドレスを身にまとっていたはずの体はどことなく冷たかった。
(これ……服が……?)
ぬりゅ……と全身を這いまわる「それ」に気取られないよう、組んだ手をそっと放して胸元に触れてみた。
だが、儀式用の生糸でできたドレスの質感はどこにも感じられず、代わりに生温かいなにかが素肌に触れる感触だけが指先から伝わってくる。
(服を、溶かしてる……? た、食べやすいように……?)
恐らく、この呪いの元凶からしてみれば衣服は食事に邪魔な異物なのだろう。
肌を晒すのには抵抗があったが、相手は人間ではないのだし――それに、もうすぐ食べられる供物に羞恥心などあっても仕方がない。
かすかな寒さに耐えながら、私はじっと黙っていた。
だが、それでもなお「それ」は私を食らおうとしない。それどころか、肌の上を這いずり回られて、どことなくくすぐったさが頭をもたげてきてしまう。
「っ、ん……♡」
一体、これはなんなのだろう。
柔らかなゼリーのようなものが、お腹の上や胸に触れてくる――妙な温かさが宿っているせいか、その物体が乳房の先端を掠めると妙に甘ったるい声が漏れてしまった。
「ゃ……」
ぞわっ♡と背筋が震えるのを感じながら、それでもなすがままになって脱力する。すると、生温かい「それ」が目元を覆っていた白い布をぐっとずり上げてきた。
「っあ……こ、これって……」
明瞭になった視界に飛び込んできたのは、まるでタコの足にも似た無数の触手だった。
太いものもあれば細いものもある、うねうねとした醜悪な造形に、思わず眉が寄る。
(これが、呪いの正体……? その割にはなんだか――敵意が感じられない、けれど……)
大仰な棘があるわけでもなければ、腐臭を漂わせているわけでも、毒がしたたり落ちているわけでもない。
ただ柔らかな触手の先端が、先ほどからゆっくりと肌の上を這いまわっていた。
「っふ……ゃ、んっ……♡」
だが、その動きにまるで意味がないとは思えない。
目の前に躍り出てきた触手のうち、数本が私の手足をしっかりと祭壇に縫い留めてきたのだ。
逃げられないようにするためなのか、捕食を楽にするためなのか――意図はわからなかったが、この触手を振り払って逃げることはできそうもない。
(このまま、食べられる……?)
いつまで経っても捕食の気配がない触手たちの動きに、ほんのりと恐怖心が顔を覗かせ始める。
一体この触手たちは、どうやって私のことを食らうのだろう――もしや全身の血を抜き取られ、干からびて死んでしまうまで苦しみが続いたりするのだろうか。
そう思うと途端に恐ろしくなってきたが、触手たちはなおもずり♡ずり♡♡と私の肌の上を這いまわるばかりだ。
「っは、ぁ……♡や、そこっ……♡♡」
――異変に気が付いたのは、それまで全身を探るように蠢いていた触手の一本が、上半身を重点的にまさぐり始めた時だった。
(なんで、胸ばっかり……?)
人間の体の中でも、柔らかいところを狙っているのだろうか。
「んゃ、ぅっ……♡♡ひ♡そ、そこばっかりさわらない、で……♡」
うじゅ……♡とトロついた粘液を出しながら、触手は次第に両胸を持ち上げ、まるで試すようにその先端をくすぐってくる。
異形の存在に服を剥かれて触れられている恐怖と一緒に、得体の知れない感覚が体の内側から巻き起こってくるようだ。
「やだ♡あ、ぁっ……♡なんで、っ♡♡んぁ♡あ、っ……♡♡」
ちゅっ♡ちゅっ♡♡と、まるでキスをするみたいに触手の先端が乳首に吸い付いてくる。
極限まで高められた恐怖で感覚がおかしくなっているのか、なんとも言えない感覚に声が漏れ出てしまう。
おかしい――こんなの、ただただ恐ろしいだけなのに。
「ひ、ぁ♡♡ぁ゛、やぁっ……♡や、お、おっぱい触らないでぇっ……♡♡♡」
食い散らすだけなら、こんなことをする必要はないはずだ。
それなのに、胸元にすり寄ってくる触手は一本、また一本と増えてくる。うち二本はちゅぽちゅぽと乳首に吸い付いてきており、他の触手は先端を細く伸ばして乳肉そのものに絡みついてくる。
「んふ、ぁっ♡や、ぅっ……♡」
ちゅっぽ♡ちゅっぽ♡♡と軽く乳首を吸われ、細い触手がみちみちと両乳房を絞り上げる――その力加減は絶妙で、まるで引っ張り上げられるように伸びた乳房からは甘い痺れがじわじわと生み出されていった。
(やだ♡やだ、っ……♡♡触手におっぱい触られて、っ♡気持ちいいなんて……♡♡)
もとよりこの儀式のために生を受けたのだから、婚姻に関する知識は最低限にしか与えられていない。
だが、胸への愛撫が「そうした」目的のために行われることは、その最低限の知識でもって知っていた。
(辱めようとしてる……? でも、その割には――)
ヒトと違って、この触手たちがそんな高尚な考えを持っているとは思えない。
ならばどうしてこのようなことをしているのか――部屋の隅に積みあがった骨の山を見て、この行為が繁殖目的ではないことだけは理解できた。
「いやっ……は、離して……ひぅうっ♡♡」
震える手でなんとか触手を引きはがそうとしたが、伸びてきた別の触手によって両腕を絡めとられてしまう。
頭の上で手を拘束され、更に暴れないようにと足まで他の触手に固定され、私は両足を大きく広げた状態で祭壇に張り付けられてしまった。
「や……お、お願い……食べるなら、早く……ぁ、あっ♡やら、っ♡♡乳首吸わないで、っ……♡♡」
ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡♡と吸い付いてくる強さが、先ほどより少し上がったような気がする。
更に、部屋の奥から這い出してきた何本かの触手が体にまとわりついてくる。さらけ出された脇や首筋、更に足の付け根まで――その身にまとう粘液がねっとりと肌を汚すころには、私の唇からこぼれるのは拒絶ではなくただの小さな嬌声へと変化していた。
「んぁ♡あ、ぁ~~……♡♡っふ、ぅ♡」
柔らかく触手で胸を揉まれながら、乳首を吸われ続ける。
それを繰り返されているうちに全身が熱くなっていって、どんどん快楽が頭をもたげてきた。
(ダメ……これ、こんなことされたら……♡♡お役目果たせない♡ここで、私――ずっとこんなことされたら、っ……♡♡♡)
「ん゛ォッ♡♡」
頭の中で余計なことを考えると、すぐにそれを察されて乳首を強く吸い上げられる。
一体どういう構造になっているのか、触手の内側からまた別の触手のようなものが伸びてきて乳首をキツく絞り上げるのだ。
「や、ぁあっ♡♡ご、ごめんにゃひゃ、ぅっ♡ぁ゛♡ごめ♡♡お゛、ッ~~~♡♡♡やだやだやだっ♡乳首搾っちゃダメ♡♡ぁ゛♡お、おっぱい出ないからゆるしてぇっ♡♡ひ、ぃ゛ゥっ♡♡」
ぎちっ♡と音がするほど強く乳首を吸われて、それまで我慢したものが一気にあふれていく――目の奥がチカチカッ♡と明滅したかと思うと、まるで波濤のような愉悦が一気に体を焼いた。
「ぁ゛♡ぁ゛、あっ♡♡♡や、なにっ♡♡ッひ、ぁああっ♡♡♡」
びくんっ♡びくっ♡♡と体が強張って、次の瞬間には弛緩する。
得体の知れない強い快感に考えが追い付かずにいると、胸に吸い付いてきた触手は一度乳首を解放してきた。
「っふ、はぁっ……♡は……♡♡♡お、おわ、った……?」
今ので満足してくれたのだろうか。
一縷の望みを持って顔を上げた私だったが、すぐにその考えが甘かったことを突き付けられる。
「え……な、なにこれ……針……?」
それまで両方の乳首を吸い上げていた触手の先端に、銀色の鋭いきらめきが見て取れる。
まるで細い針のようになったその先端が、まるで見せつけるようにゆっくりと赤く腫れきった乳首に近づいてくるのだ。
「や、やだ……やめてっ……! お願い、痛いのは――ぁ゛あっ♡」
必死に叫ぶのもむなしく、細い針の先端がぷつっ……と乳首に挿し込まれる。だが、不思議と皮膚を突き破る痛みは何も感じなかった。
「あ、れ……? やぁあ、ぅっ……♡」
だが、その代わりに針からなにかが流れ込んでくるような感覚を覚える。
熱くて得体の知れないそれがすっかり流し込まれた後は、ゆっくりと針が抜けていった。
(一体何を……? 毒……?)
これから捕食する人間に、毒を仕込む必要があるのだろうか――そんなことを考えていると、針で刺された胸の先端がジンジンと熱く疼き始めた。
「ッん♡なにっ……♡ぁ、あ、っ♡♡♡おっぱい痒い、……?」
丸いふくらみから、堪えきれないほどのむず痒さが放射状に広がっていく。胸の先端を掻きむしりたくても両手は拘束されていて、まるで波のように広がっていく痒さを抑えることができなかった。
「ひぁ♡♡ぁ゛、あっ♡んんぁっ♡やだやだやだ、ッ♡♡♡かゆい♡おっぱいかゆいの、っ……♡♡ゃ゛♡ぁ゛、あっ♡♡んッぁ♡乳首熱いぃ……♡♡」
やっぱり、さっきの針から毒を流されたに違いない。
身を捩って触手を振り切ろうとしても身動きが取れず、私は誰もいない虚空に向かって切実な悲鳴を上げた。
「やっ♡おね、がぃ……♡♡おっぱい掻いて、っ♡かゆいの止まんない♡♡やだ♡や゛、ッ~~♡♡♡」
人によっては、痛みよりも痒みの方が恐ろしいという話を聞いたことがある。
私もまさしくそういう人間で、堪えればいつかは過ぎ去るであろう痛みよりも、いつまでも続く痒みでまともな思考ができなくなっていった。
「ぁ゛♡あ゛♡♡♡乳首かゆ、ぅっ♡ん゛ぁ♡おねが、ぃ……♡♡♡食べていい♡私のこと食べていい、から♡♡♡さっきみたいに♡おっぱい吸ってぇ♡♡」
やがて、私の視線は目の前でゆらゆらと揺らめく触手に向けられた。
さっきみたいにキツく乳首を搾ってもらえたら、あるいはこの強烈な痒みが過ぎ去るんじゃないか――そんな希望を抱いて、恥も外聞もなく懇願する。
「っ♡♡♡お願いです、っ♡さっきみたいにおっぱい吸って♡♡思いっきり絞ってぇ……♡♡」
どうせ、誰も聞いていない。
王女としての誇りも、ヒトとしての矜持もかなぐり捨てて叫ぶ私の声を聞いているのは、目の前の触手とこれまでの贄たちだけだ。
必死に背中を反らし、乳房を突き出すようにしながら体を揺すると、その声に反応してまた触手がするりと近づいてくる。
(や、っと――痒いの、終わる……♡♡)
ひぐっ♡と喉を鳴らし、さっきのように乳首を吸ってもらえるのだと期待した私の目の前で、触手の先端が裂けた。
「……え?」
ぐぱ……♡と粘液をこぼしながら星形に裂けた触手が二本、そのまま乳房を包み込まれてしまう。
「ん゛ぁ、あッ♡♡♡お゛ぎ、ッ♡♡♡」
胸全体を覆い隠したその触手が、一度ぶるっ♡とその身を震わせる――すると、先ほどとは比べ物にならないほどの力で乳首をぎゅううぅぅ♡♡と吸い上げられてしまう。
「ん゛ぁ♡♡あ゛~~ッ♡♡♡や♡ッひ、ぃ゛ッ♡♡ンぁ♡やぁ、あ♡あ゛、ぁぁっ♡♡」
私の望み通り、痒みすら感じないほどに強くおっぱいを吸われてしまい、狂おしいほどの快感が全身を駆け抜ける。
目の奥がチカチカと瞬いたかと思った次の瞬間、胸を包む触手の内部がぐにぐにっ♡と悩ましく蠕動した。
「お゛ッ♡♡」
それがダメ押しになり、なにかが爆ぜたように全身が熱くなる。
「にゃ♡にゃにこ、れぇっ♡♡お゛♡ッぉ゛~~~♡♡♡おな、か♡ァ♡熱い♡♡♡ん゛ォッ♡♡」
びくっ♡びくっ♡♡と体が痙攣するのと同時に、お腹が――いや、薄い下着をつけていただけのおまんこのあたりがひどく熱を宿し始める。
未知の快感に全身を苛まれ、いつの間にか私は涙を溢れさせながら首を横に振っていた。
「あ、やめ、っ♡やめない、でぇっ……♡♡♡か、痒いの嫌♡おっぱいもっと、っ……♡♡」
死の恐怖からではなく、この快感が終わった後に訪れるあの痒みが恐ろしい。
強烈な快感を何度も与えられた私は最早抵抗する気力もなく、むしろ自ら望んで触手に身を捧げていた。
「んぅ♡ふ、ぁあっ……♡♡♡もっと、ぉ♡吸って♡おっぱいいじめ、て……♡♡♡おねがい、します……♡♡」
溢れた涙で顔はぐちゃぐちゃになっていたが、それを拭うこともできない。
初めての快感を植え付けられた体はすっかりと火照って、不随意にびくびくと震えてしまう。
すると、また新しい触手が数本目の前に躍り出てきた。その先端はおびただしい数のイボで埋め尽くされていたが、最早見た目の恐ろしさは気にならなかった。
「ふ、ぅ……♡♡んむ、っ♡」
卑猥な形をした触手のうち一本が、ゆっくりと唇を割って咥内へと押し入ってくる。
相変わらずぢうぢうっ♡とおっぱいを吸われながら、私は喜んでその触手を受け入れた。
「ん゛む、ぉ……♡♡ん♡ふ、ぅうっ……♡♡♡」
凹凸のある先端は、他の触手と同じようにぬるぬるとした体液をまとっている。舌に擦りつけられたそれは甘く、感触も相まってゼリーのようだった。
(甘い……♡♡それに、なんだか頭がぼうっとする……♡)
ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡♡と音を立ててそれをしゃぶると、どんどん頭の奥がぼんやりとしてきた。
恐怖を感じなくなって、舌の上に乗る甘さを追いかけるように触手をしゃぶると、他の触手がまるで褒めるように頭を撫でてきた。
「ん♡♡ちゅ、ぅっ……♡♡んぢゅっ♡ぢゅぽ♡♡ぢゅぽ♡♡ン、っ♡」
首から上はまだ自由に動かせるので、頭を振って喉奥のより深いところまで触手を咥えこむ。すると、イボイボの先端が頬の内側をなぞり、喉の突き当たりまで進んできた。
「む゛、ぉ……♡♡」
ごりゅッ♡と、聞いたこともない音が喉奥から聞こえてくる。
いっそのことこのまま死んでしまっても、それでいいかもしれない――快感のうちに死ねるなら、贄としてこれ以上ない終わり方だろう。
「ん゛む♡♡ん~~~♡♡」
口の中を、触手のイボで撫で擦られるだけでも気持ちいい。
必死に頭を振って先端に吸い付く私は、その時気が付いてなんかいなかった。
それまで祭壇に足を縫い留めていた触手が解け、更に両足を大きく広げてくる。そして、下着に隠された秘裂めがけて、イボ触手がもう一本忍び寄ってきたことになど、気付くはずもなかった。
「ん、っ? ん゛ぐ、っ……♡♡ん♡む、っ♡♡♡ん゛ん~~~♡♡♡」
ずりゅんっ♡♡と下着の中にそれが潜り込んできて、ようやく事態に気付くことができた――あちこちがボコボコと張り出した異形の触手が、ぴったりと閉じたおまんこの割れ目をぞりゅぞりゅっ♡♡♡となぞり始める。
「ん゛ぐ、っ♡♡ん゛♡ん゛~~~♡ん゛~~~♡♡♡」
ずちゅっ♡♡ずり♡♡ぞりゅぞりゅぞりゅっ♡ぷちゅっ♡♡♡
喉奥を犯す触手と同じようなイボイボでおまんこを刺激されて、さっきの熱がぶり返してくる。
体がガクガクガクッ♡と大きく震え、足の間からは熱くてトロッとしたものが溢れてくる。
漏らしてしまったのかと思って足を閉じようとしても、太腿に何本もの触手が絡まっていて閉じることができなかった。
「ん゛♡♡ふっぐぅっ……ッ♡♡♡お゛♡ん゛、ッぉ♡」
全身を襲う強い快感に合わせて、咥内に潜り込んでいた触手もずぽずぽと抽送を繰り返してくる。
全身を拘束されたまま口の中とおまんこを刺激された私は、再度訪れたあの絶大な愉悦に逆らえなかった。
(また♡またクる、っ♡♡♡おまんこ熱いのキちゃう、っ♡乳首吸われて、っ♡おまんこ触られてぇっ……♡♡こんなので気持ちよくなるなんて……♡♡♡)
恥ずかしくて、苦しくて、だけどすっごく気持ちいい――♡
ずりずりずり♡と優しく淫裂を刺激する触手の動きに合わせて、腰がくねくねと動いてしまう。
溢れてきた蜜が太腿を汚し、祭壇の上に滴るのを感じていると、ふいにその動きが止まった。
「っ、はぁっ……♡あ、待って、っ……♡♡」
喉奥を犯していたイボ触手も、ずるぅ……♡とゆっくり抜け出てしまう。
それまで体を苛んでいた快感が遠ざかるのが嫌で声を上げると、どこからともなくクツクツと喉を鳴らす音が聞こえてきた。
「だ、誰……?」
もしかして、どこかに誰かが隠れていたのだろうか。
あられもない姿で快楽に耽るところを見られてしまった――一気に羞恥で顔が熱くなったが、音は聞こえど姿が見えることはない。
「待って、か。これから贄になるというのに、随分強欲なことじゃないか」
「――だ、誰なのです、か……っぅ♡どこにいるの……!」
低い、男の人の声だ。
年齢はよくわからない。多分お父様よりは若いと思うのだけれど、その声にはどことなく年齢を重ねた人特有の節のようなものがある。
「ずっとここにいるとも。当代の贄巫女……いやなに、王族の女が痴態を晒す姿を嗤ってやろうと思ったが、君の精気が存外と美味いものだから」
「っ、ぁ――」
「こんにちは、メリフェットの贄巫女。名前は――ユスティーナというのか」
――それは、影の中から現れた。
艶めいた黒髪に、瞳の色は銀色。まるで夜の神に似たその人は、顔に笑顔を張りつけながら私の名を呼んだ。
「……どうして、私のことを」
「知っているともさ。だって君は、本来私に捧げられた供物だ。可哀想に、メリフェットの贄巫女よ……厚顔無恥な王族どもの身勝手で作られて、その身勝手のために死ぬのか」
破邪の色である銀を瞳に宿したその人は、悠然と微笑むとその手で私の頬に触れてきた。
背が高くて、まるで彫刻のように美しい人だ。側頭部から羊のような形の角が生えているが、その立ち振る舞いにはどことなく気品が漂っている。
「……勇者、様?」
「――なんだと?」
ぽつ、と唇からこぼれたのは、心の中で何度も拠り所にしていたひとの名前だった。だが、その言葉がよほど不愉快だったのか、目の前の男の人はぎゅっと眉を寄せた。
「ぁ、ご……ごめんなさい。瞳の色、が……銀色で……お伽噺の勇者様、みたいだったから……」
「お伽噺の勇者、ね。あんな子供騙しを信じているのか? 勇者が、その身を犠牲にして国を救ったと?」
苦々しくその美しい顔を歪めて、彼は吐き捨てるようにそう言った。
見た目からして人間ではないこの男の人に、勇者様の話題を出してはいけなかったかもしれない――だが、ずっと憧れていた人のことを悪し様に言われて、黙ってはいられなかった。
「っ……あなた、魔族なのでしょう? この国を呪っていた――だったら、そんなあなたにはわからないかもしれないけれど……わ、私は、ずっと勇者様のことを……」
このまま殺されるとしても、元々そういう運命にあった命だ。
生まれて初めて他人にそのような口をきいたが、もう恐怖などどこにも感じてはいなかった。
「勇者様と同じように死ねるなら、私にだって価値があるって思って生きてきたの……!」
「価値……価値か、そうか……」
勇者様と同じ銀色の目を歪めて、目の前の男は笑う――それと同時に、それまでぴたりと動きを止めていた触手たちが再び蠢き始めた。
「っひぅ♡やだ、ッ……♡」
「何を拒む必要が? 今まで触手たちに嬲られて、物欲しそうに腰を揺さぶっていたじゃないか」
揶揄するように笑ったその顔に、胸が締め付けられる。
けれど、彼は私に覆いかぶさると、全身をくまなくその手で撫でてきた。触手の粘液で手が汚れることもいとわない優しい愛撫に、高められた体が反応してしまう
「ぁ……♡♡」
「かわいそうなユスティーナ。あの薄汚い王族どもの血などに憐れみを持ったことなど一度たりともなかったが、君は私と同じだ。……傲慢な人間どもの嘘と権力で凌辱され、踏みつぶされた、哀れな贄巫女……」
「っん♡む、ぅうっ……♡♡♡」
イボイボの触手でしっかりと嬲られた咥内に、熱い舌が潜り込んでくる。
体をしっかりと押さえつけられ、角度を変えて何度も唇が押し付けられると、また頭の奥が鈍く熱を灯しだす。
(ま、た……♡気持ちいいの来ちゃう♡こんな、っ♡魔族にキスされて、っ……♡♡♡)
びくっ♡と肩を震わせると、彼は顔を上げて舌なめずりをした。白い肌と黒い髪に、赤い舌がとても映えている。
目が離せなくなるその光景の中で、彼はうっとりとしたように目を細めた。
「甘いな――もう何百年も、味覚が機能していなかったから……はは、本当に甘い……」
「味覚が……機能していない……?」
「あぁ。もうずっと……魔王の心臓を貪り食ってやった時から、ずっとだ。精気を摂取して力を得ても、味まではわからなかったよ」
ドクン、と、大きく胸が弾んだ。
魔王の心臓を食らう? 何百年も前?
どこかで聞いた話と、彼の言葉が、頭の中でぐちゃぐちゃに入り混じる。
(だって、数百年前に魔王を倒したのは――)
「蜜のような味だ。体の隅々まで染みわたって、力が湧き出てくる――これは、君に礼をしなければならないな。……そうだ、私の名を教えてあげよう」
どうせもう使わないから、と笑ったその人が、愛しげに再び頬へと触れてくる。
先ほどとは違い、触手の体液で濡れた指先がマーキングをするみたいに擦りつけられた。
「我が名はラディム。ラディム・リヴェンタッド……この名に聞き覚えはあるかな、ユスティーナ?」
「っ……ぁ、えっ……ゆ、しゃ……勇者、ラディム……」
ヒュ、と喉が鳴って、体温が一気に下がっていく――その名を知らぬ者がこの国にいるものか。
ラディム・リヴェンタッド――それこそがかつてこの国を救い、魔王との一騎打ちの末に果てた勇者の名前だ。
「う、嘘よ! そんな、あなたが勇者様なんて――」
「信じるも信じないも君の勝手だが、私も好んで他者の名前を騙る趣味はない。信じられないなら、魔王と殺しあった時のことを話してあげようか」
笑みを崩さないまま恐ろしいことを口にして、その人は更に喉を鳴らす。
――嘘だなんて思えなかった。嘘だと断じてしまいたいのに、夜空の星を散らしたような銀色の瞳が言葉に真実味を持たせてくる。
「でも、食事が先だな。久しぶりにこんなにも楽しい食事を――味のある、甘い精気を味わった。殺してしまうのは惜しいくらいだな……」
「っうぁ♡」
彼の声に応じるように、胸を包み込んでいた触手が再び内部をうねらせる。
「そうだ、こうしよう。どうせ捨てられるのなら、君の命は私が貰いうける。その代わり、君は私にこの精気を与えてくれればいい……ほら、悪い提案じゃないはずだ」
「な、にをっ……ど、どちらにせよ、精気を奪われたら死ぬのでしょう……」
「すべては私の加減一つさ。あの王族どもは反吐が出るほど憎たらしいが――さっきも言った通り、ユスティーナは私と同類だからね」
上機嫌に微笑みながら、彼は――勇者ラディムと名乗ったその人は、はらりと自らが纏っている丈の長い服を緩めていった。
その下に何が隠れているかがわからないほど、ものを知らないつもりはない。
想像通り現れた裸体から目を逸らそうとするものの、周囲に蠢く触手たちが無理矢理顎を捉えて前を向かせてきた。
「こちらを見ろ。目を逸らすのは許さない……それとも幻滅したか? 幼いころから憧れを抱いていた勇者ラディムが――こんな、異形となり果てて」
「っ、それは――」
頭の中を盗み見されたような心地がして、それ以上の言葉は出てこなかった。
そうだ。私は身勝手にも、今目の前にいる彼に幻滅した。
この国の人間が英雄と崇める、高潔で勇気ある救国の勇者。それがこんなにおぞましい姿になって、あまつさえ魔物を従えているという事実に打ちのめされたのだ。
「どうして……あなたが本当にラディム様だというなら、なぜこんな……」
「さっき言ったはずだ。魔王の心臓を喰らって永らえたと――私だって、死にたくなどなかった。勇者などと大層な呼ばれ方をしているが……これでも人並みに、死を恐怖し裏切りを憎む心くらいは持っている」
私の問いかけに、彼はそう答えただけだった。
なにかを思い出すような、どこか痛々しい表情を浮かべて――それと同時に、触手を動かして私の足を大きく広げてくる。
「ぁ、っ……♡」
彫像のように白く美しい裸体からは想像もつかない、赤黒い肉杭が下着越しに擦りつけられる。
明らかに周りの触手とは違うその感触と熱さに腰が震えて、唇からは上ずった声が漏れた。
「やぁっ、ぁ♡やめ――っく、ぅんっ♡♡♡」
「魔物に犯されるのは怖いかい? だけどユスティーナ、よく考えて御覧。私などよりずっと恐ろしいものを、君は目の当たりにしてきたはずだ」
指先が、体液に濡れた下着をずるっ……♡と引き下ろしてしまう。
男の人に裸を晒しているのだという事実が恥ずかしかったが、たっぷりと触手に嬲られた体に力は入らなかった。
グロテスクで長い肉竿を股間に押し当てられながら、私はただ小さく震えることしかできない。
「うん、やっぱり甘い。快感が増すと寄り甘みが強くなるみたいだ――この状況で、何をされるのかを期待しているんだな」
「ちが、ぅっ……♡ぁ、や、っ♡♡」
「ユスティーナ。私の贄巫女――あんまり強情を張ると、余計に苦しいだけだ。どのみち君は、ここで私に精気を吸いつくされて死ぬか、純潔を奪われるかのどちらかしかない。わかっているんだろう? この部屋……贄が中から逃げてこないよう、扉の外側は厳重に閉じられている」
ぞりゅっ♡と熱いおちんぽを淫裂に擦りつけられて、びくんっ♡と全身が跳ねた。
そして、それと同時に自分の置かれている状況を理解する――どちらにせよ、私がここから生きて出るという選択肢はない。儀式のために生まれ、儀式のために死ぬのが私の存在意義なのだから。
「死ぬのは恐ろしい。私は誰よりもその恐怖を知る……君だって、このまま死ぬのは嫌だろう? せっかく生まれてきたのに、愛すら知らないまま朽ちていくのは――」
銀色の瞳が、私の事をまっすぐ見つめている。
朽ち果てた人骨の山が部屋の隅で恨めしそうにしていたが、同時に死への恐怖が自分の中で徐々に膨らんできた。
「や……し、死にたく、ない……」
「そうだろう。君がそう思うのは至極自然なこと――ねぇ、ユスティーナ。たくさんの仲間と共に、魔王に立ち向かった私でさえ怖かったのだから」
ぐぢゅ♡ぐぢゅ♡♡とおまんこに亀頭を擦りつけられながら、とても優しい声で囁かれる。
心の奥底の、とっても弱くて脆いところを撫でるようなその声が全身を絡め取って、動けなくなる。
「非力な君が死を恐れて、誰がそれを責めるだろう。後ろ盾もなく、親兄姉に愛されることもなかった君が……死にたくないと望んでこの手を取ったことを、一体誰が」
「それ、は……」
「ユスティーナ、このままだと君はあの傲慢な王族どもの食い物にされるだけだ。……私は、ここで君を失いたくないんだよ」
すりすりと下腹部を撫でられながら、敏感になった秘裂に何度も何度もおちんぽを擦りつけられる。
腰が艶めかしく跳ねて、全身が熱くなり――いつしか私は、その優しい言葉に頷いてしまっていた。
「し、死にたくない……死にたくない、です……。誰にも知られずに、愛されずに死ぬのは……いや……」
「――そうだろう」
「っぁ♡♡」
ちゅっ♡とキスをするような音がして、閉じた処女穴に肉楔の先端が押し付けられた。愛液か先走りか、はたまた触手の粘液なのか――べっとりと濡れたその場所が、太い尖端でゆっくりと抉じ開けられる。
「ッぁ゛、ぁっ……♡♡」
「大丈夫――苦しくない、痛くないよ……さっきたくさんイって、膣内が柔らかくなってるはずだ……♡」
にゅぷぅっ……♡♡ずぢゅ♡ぬ゛ッ♡♡ぬ゛ぢゅっ♡♡ぐぷ♡♡ぐ、ぷんっ♡♡♡
ゆっくりと、狭い穴を確実に押し広げながら、熱くて太いおちんぽが突き立てられる。
突き立てられた瞬間だけ鈍い痛みが襲ってきたが、それもすぐに過ぎ去っていった。お腹の奥の方でわだかまっていた熱が、その痛みを嘘のように掻き消していく。
「は、ぁんっ……♡♡ぁ゛♡はひ、っ♡く、るしぃっ……♡♡♡」
「……下着越しじゃなくて、直接粘液を塗り込んでやればよかったな。――少し、このままで待っていて」
彼はそう言って、手近な触手をぐっと手繰り寄せた。
そして柔らかな触腕を掴むと――それを一気に握りつぶす。
「ッひ……」
ぶっぢゅ♡と鈍い音を立てて握りつぶされた触手から、ドロッとした透明な液体が飛び散って肌を汚す。
一瞬何が起こったのかと目を剥いたが、変化すぐに訪れた。液体が飛び散った場所が、下腹部を中心に一気に熱くなってくる。
「ン、ァあっ♡ゃ゛ッ……♡♡やら、ぁっ♡ぁ゛♡ッひ……♡♡♡」
ずくんっ♡とお腹の奥が熱くなって、先ほど触手に嬲られた場所がジワジワと疼きだす。
我慢できなくて身を捩ると、彼が――ラディム様が、おちんぽの先をぐりぐり♡と膣口に押し当て擦りつけはじめた。
「ッぁ、ぅんっ♡♡やだ♡ゃ゛、ッ……♡♡」
「抗うのをやめてしまうといい。私も、最初は苦しかったけれど――受け入れてしまえばどうということはないよ」
ユスティーナ、と甘く名前を呼ばれ、大きな手のひらでむにっ……♡と右の乳房を揉みしだかれる。
針を刺され、なにかを……恐らく、ぶちまけられたこの液体と同じものを注ぎ込まれたおっぱいは、普段よりも敏感になっているような気がした。心なしか、ふくらみが大きくなっているような気さえしてくる。
「ふ、ぁ……♡♡おっぱ、ぃ♡やっ……♡♡」
「正直になれ。今更純潔を守って、誰に捧げる未来がある? 私ならしっかりと、君の苦しみを理解してあげられる。受け止めてあげられる――ここで死ぬよりも、ずっと幸せにしてあげよう」
笑っている。
幼いころから、ずっと憧れていた勇者様。銀色の瞳の、たくさんの人々に愛された勇者ラディムが、私の名前を呼んでくれている。
「死にたくないんだろう、ユスティーナ。君のその願いを誰が邪魔できるだろう――罪のない人間一人を生贄に捧げて永らえるような国で、誰が」
優しい言葉に、体がぶるっ……♡と震えた。
死にたくない。苦しみたくない。誰かに必要とされて愛されたい――そんな欲求が、まるで間欠泉のように大きく膨れ上がってくる。
「……あなた、に……全部あげたら――本当に私のことを、殺さないでいてくれるんですか……」
「殺してしまったら、君の精気をもう味わえない。一緒に遠くで……魔族たちの世界で暮らそう。そこでは誰も、君を邪険に扱ったりしない」
魔族たちの世界――私たちの言葉では、いわゆる魔界と呼ばれる場所だ。
かつて魔王が支配し、勇者様によって封じられた世界の裏側。そこに、その魔界を封じた張本人であるラディム様と一緒に暮らす未来が、にわかには想像できなかった。
「君が精気を提供し続けるというなら、私がこれ以上贄の巫女を食らう必要ない。君のような存在は、もう二度と生み出されないんだ」
「――それは」
ごく、と喉が鳴った。
使い捨てにされるためだけに産み落とされる命がどれほどに哀れなものなのか、私は身をもって知っている。
「……二度と、私みたいな人間が――誰にも愛されない贄が、生み出されないのなら」
呼吸が浅くなって、目の前がぼやけた。
私はようやく、この責務から逃れることができるのだ。苦しくて寂しくて、このまま死んでしまいたいと願うほど惨めだった人生から解放される。
――ラディム様を受け入れれば、すべてが終わる。
「奪って、ください……♡♡わ、わたしの処女、も♡心、も――全部ラディム様に捧げます♡♡勇者様、どうか……」
もう、その祈りは神に捧げられることはない。
私を救ってくれるのは玉座に座るお父様でも、天にまします神でもないのだ。
「……勇者と呼ばれるのはあまり好きじゃない。どうか、私のことはこう呼んでくれ、我が伴侶」
「ッぁ゛、ぁあっ♡♡」
「――魔王ラディム。今や私は、万魔を統べる魔界の王だ」
ぐぷぷぷっ♡♡と、蕩けた穴を一気におちんぽを抉じ開けられる。
処女穴を穢す破瓜の痛みは感じることなく、太い肉棒を突き立てられた圧迫感だけが全身を駆け抜けていった。
「ッん、ぁあぁ♡♡ゃ゛、ひぅッ♡♡ふァ、っ♡♡♡」
ぬ゛ぶっ♡♡ぐぷっ♡と隘路を押し広げられて、甘い快感に声が押し出される。
ラディム様はしっかりと私の腰を掴みながら、丁寧に媚肉を削り上げて最奥を何度もノックしてきた。
「狭……♡贄というからまさかと思ってたけれど、本当に生娘だったとは……それに、快感を限界まで高めたこの精気――」
「お゛ッ♡♡♡ひ♡ひぎゅ、っ♡」
長い舌で舌なめずりをしたラディム様が、ぐぷんっ♡と奥を突き上げる。
下腹部で疼くようだった切なさが爆ぜて、全身を絡め取るような快感が満たしていった。
(すご、ぃ♡♡これ、っ♡男の人のおちんぽ♡勇者様の――ラディム様のおちんぽでおまんこぐぽぐぽされるの♡気持ちいい♡♡気持ちいい♡♡♡)
生まれて初めて与えられる愉悦に、全身が悦びで震えあがった。
頭の中が「気持ちいい」でいっぱいになって、一突きされるごとに下腹部がぎゅっ♡と強く締まるのを感じる。
「ん゛、ぁっ♡はぁ゛♡ぁ゛、ッ~~~♡♡」
「甘い――ユスティーナ、君はどこまで私の事を悦ばせる……♡」
一度腰を引いたラディム様が、ぬ゛っち♡ぬ゛っち♡と浅い場所を何度も刺激してくる。
張り出した雁首で膣口の近くを擦り上げられるたびに、切ない愉悦が何度も生まれて全身へと広がっていった。
「んぁ♡あ、ぅっ……♡♡ラディム、さまっ♡あ、ぁあっ♡♡」
「必死に膣内を締めつけて、私が出ていかないようにおねだりしてるみたいだ――いじらしいね。そういうところも可愛らしいが……♡」
「きゃう、っ♡♡」
ぐぽ♡とおまんこの中ごろまで腰を突きこまれたかと思いきや、それまでこちらの様子をうかがっていた触手が乳房へと忍び寄ってくる。
「もっと淫らになりなさい。大淫婦のように腰を振り、嬌声を上げて私を求めろ」
ニィ、と笑ったラディム様に呼応するように、触手が再びぢゅるんっ♡とおっぱいの先に吸い付いてきた。
先ほどよりずっと敏感になり、重たくなったその場所を、まるで花弁のように裂けた触手たちがねちっこく愛撫する。
「ぃ、ぅうぅっ♡♡あ゛、ッ♡♡乳首やだ、ぁっ♡」
ぢぅっ♡ぢぅっ♡♡ぢゅるるるるっ♡♡♡ぢゅぽ♡♡ぢぅ~~~♡♡♡
緩急をつけて乳首を吸い上げられ、別の触手が根元に巻き付いて絞り上げるような動きを繰り返される。
お椀型の乳房が引っ張られ、形が変わるほどに強く揉みしだかれる光景に、私はいつの間にか腰を揺らして快感を覚えてしまっていた。
「んぁ、ッ♡♡お゛、ぉっ……♡」
「触手に敏感おっぱいを搾られるのはどう? 人間じゃこれだけの快感は得られないだろう」
「っあ♡ぁ、んんっ♡♡イイ、です……♡♡ッん゛♡乳首♡ぢゅ~~って吸われるの、きもちいぃ……♡♡あへ、ぁ♡あ゛、ッ♡♡♡」
ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡と、牛の乳でも搾るような動きを繰り返す触手に、背中がどんどんのけぞっていく。
キツく乳首を吸われる刺激と緩やかに繰り返される律動が相まって、次第に体の感覚がふわふわとおぼつかないものになってきた。
「ふふ、やっぱり強い快感を覚えると、もっと甘くなる。それに――中毒性が高いな。一度この味を知ってしまったら、他の贄を食らう気にはならない……」
黒髪をかき上げたラディム様が、ぐぐっ……と私の両足を持ち上げた。
太腿を掴まれてぐぷっ♡と腰を打ち付けられると、さっきよりも深いところをおちんぽで抉じ開けられる。
「ンぁ、っ♡♡あ、つぅっ……♡♡」
みっちりと膣内を埋め尽くすラディム様の魔族おちんぽは、火傷してしまいそうなくらいに熱い。
おまんこが溶けてぐずぐずになってしまうんじゃないかと思えるほどに熱いそれを、まるで形を覚え込ませるかのように出し入れされる。
「ん゛♡ぉ、おっ♡♡ほ、ぉおっ……♡♡あ゛♡や、ぁぅっ♡♡」
「処女穴はかなりキツいと思っていたけど、ここまでしっかり咥えこむなんて……さすがだよ、ユスティーナ。深いところまで、ちゃんと吞み込んでくれよっ……♡♡」
ぬっぽ♡ぬっぽ♡♡ぐぢゅぅっ♡♡ぐぽっ♡ばぢゅっ♡ばちゅんっ♡♡♡
少しずつ深いところを押し広げる動きに合わせて、媚肉が蕩けるように柔らかくなってくる。
(おなか、っ♡苦しいのに――♡ラディム様のおちんぽぬこぬこされるたびに気持ちよくなってる♡♡魔族おちんぽで♡おまんこ悦んじゃってるぅっ……♡♡♡)
知識はなくとも、生き物としての直感が告げている。
雌としての本能を揺さぶられて、少しずつ体が彼のことを受け入れ始めているのだ。
もっと気持ちよくなりたい。ラディム様に、心も体も支配されたい――♡
相手は魔族なのに、そんな考えがとめどなく押し寄せて心を絡め取ってしまう。
「――もう少し動くよ、ユスティーナ。一度奥まで挿入れたから大丈夫だとは思うが……舌を噛まないように気を付けて」
「な、にっ……ひぉ゛、ッ♡♡♡」
ラディム様の声が低く鼓膜を掠めると、ごりゅっ♡♡と再びおちんぽが奥まで突き立てられる。
丸い切っ先で最奥までを押し開き、更に激しい律動を刻まれて全身が大きく揺れた。
「ん゛ぉッ♡♡ぉ゛♡ぁ、や゛ッ♡♡♡はげ、しっ……♡♡あ゛♡あ、ぁっ♡♡ぁんっ♡♡♡」
「深いところまで、私の魔力がいきわたるようにしてあげよう。魔界で暮らすのに、人間の体では苦しいだろうからね」
ぬ゛っぽぬっぽ♡♡どちゅどちゅっ♡と激しく奥を突き上げながら、ラディム様の指先が軽く頬を撫でてきた。
「あ゛♡ぁ、ぁんっ♡♡お♡おなか♡♡♡くるひ、っ……♡♡」
「今は少し苦しいかもしれないが、じきに慣れる――そのうち、私のちんぽを咥えていないと寂しくて仕方がないようになるはずだ」
陶然とした笑みを浮かべながら腰を振りたくるラディム様は、更に触手たちを動かして甘美な刺激を与えてきた。
ぢうぢうぢうっ♡とねだるようにおっぱいをしゃぶられながら、たっぷりと乳肉を揉みこまれる。
「ん゛ォ、ォッ……♡♡あ♡も、ぉッ♡♡ッふ♡クる、ぅ♡♡♡ぉ゛♡お゛、ッ……♡♡なんかキちゃ、ぅうっ♡♡」
「ん? 絶頂が近いのかな――それなら、『クる』じゃなくて『イく』と言ってごらん」
ひくひくっ♡とおまんこ全体が震えて、突き立てられた雄茎を締め付ける。
それだけじゃない――おっぱいも乳首も全部気持ちよくて、気を抜いたらなにかが押し寄せてきそうだ。
未知の快感に首を振りながら喘ぐと、ラディム様が耳元でそっと囁いてくる。
「イ、ぅ……♡♡♡イ、イくぅっ♡イく♡♡」
「そう、上手だ……もっと気持ちいいところを突いてあげるから、ちゃんとイくイくするんだよ……♡」
「は、ぇぇッ♡♡♡あ゛♡ぁ♡や、ァんっ♡おちんぽっ♡そんな、ァっ♡深いとこ♡♡ぐりぐりしちゃらめ、っ♡お゛♡イく♡イっちゃう♡♡♡イく、ぅううっ♡♡♡」
びくんっ♡♡と体が一気に強張ったのはその時だった。
これまで覚えたこともない、くすぐったくておかしくなりそうなくらい気持ちいい痺れと一緒に、全身がガクガクと震えあがる。
「あ゛♡♡ッぁ~~♡♡♡」
びくっ♡♡ガクガクガクッ♡♡びくっ♡びくっ♡♡♡
意味のある言葉を発することもできずに硬直する体を、ラディム様はしっかりと押さえつけてきた。
「上手にイけたんだね……♡」
「ゃ゛、ぁっ♡♡」
ぬ゛ぱんっ♡と強く腰を打ち付けてきたラディム様が、その後も容赦なくおちんぽで子宮口を責め立てる。
ぶっとい肉杭はそれ以外にも気持ちいいところをゾリゾリ……♡と刺激してきて、イったばかりで敏感なおまんこは逐一その快感に反応し収斂してしまう。
「お゛、ッ♡♡♡イった♡もぉイったの♡♡お゛♡ッい゛~~~~♡♡♡」
「イったね。君はイった――けど私はまだだ。まだ満足してない……♡君が人間としての理性をすべて捨ててしまうまで、こうして犯し続けてやる。そうすれば、君はもっと甘くなるはずだ……♡」
ぐぽっ♡♡どちゅ♡どちゅっ♡♡♡ぬっぢゅぅうっ♡♡ぐぽッ♡♡♡
容赦のないラディム様のピストンに、さっきと同じような甘い痺れが何度も何度も襲い掛かってくる。
ひんやりとしていたはずの室内は、お互いの体温でむわぁっ……♡と蒸れかえるほどだ。汗ばんだ肌と肌がくっついて、離れて、またくっつく。
「ん゛、ッ♡♡♡ッふ♡ラディ♡ラディムひゃま、ぁっ♡あ゛♡ッふ♡♡♡きもちぃ♡♡おまんこぬぽぬぽ♡よしよしってされるの気持ちいい、ですぅっ♡♡♡」
イってもイっても終わらない行為に、前後左右の感覚すらもよくわからなくなってきた。縋るものもなく、ひたすらラディム様の体にしがみついていなければ、意識がどこかに引っ張られてしまいそうだ。
「ん゛、ふっ♡ぁ♡あ、ぁっ♡♡♡きもちいぃ、っ……♡♡」
「初めてとは思えないほど感度がいい――触手の体液を使った以上に、君の本質はこれほど淫らだったということか」
淫乱♡と耳元で囁かれ、それだけでも背筋が震えあがった。
「い、淫乱じゃ、ぁぅっ♡♡こんなこと♡だ、誰とも――」
「わかっているよ。君の純潔を奪ったのは私なんだから……そして、君をこんな風に、淫らに開花させたのも私だ」
ぐぽっ♡♡と深くを突き上げられて、またイってしまう。
「あ゛、ぁ~~~♡♡♡」
「いいかい、これが愛されるっていうことだ。君が手に入れたかった、人のぬくもり――私だったら与えられてあげる。私だったら、君が望むだけ愛してあげられる」
大きな彼の手が、私の手をしっかりと掴んできた。
触手とは違う、人肌のぬくもりが泣きたくなるくらい心地好くて、私はそっとその手を握り返した。
「私と一緒においで。ユスティーナ――君がヒトの世界で幸せになれないというのなら、私の世界で幸せになればいい。魔界には醜いしがらみなんてない。私のものになれば、君は今度こそ幸せに生きることができる」
じわじわと、インクが羊皮紙にしみこんでいくみたいに心が満ちていく。
愛されたかった。
お父様からも、お母様からも――お前は大切な子なのだと言われたかった。たとえでたらめな慰めであってもたった一言そう言ってもらえたら、どれだけ救われただろう。
(ラディムさま、は……私のことを、必要としてくれてる……♡♡)
それがたとえ、精気を奪うための方便だとしても、それでよかった。
私は今、生まれて初めて誰かに必要とされているのだから。
「……なり、まひゅ……♡♡♡ラディムしゃまのものに、なるぅ……♡およめ、さんにっ♡してくだひゃ、ぁぅうっ♡♡」
ばちゅっ♡♡ばちゅっ♡♡ぬ゛ぷっ♡ぬこぬこぬこっ♡♡♡どちゅんっ♡
おまんこの奥を思いっきり突き上げられて、目の前でチカチカと星が舞う。
一気にスパートをかけてきたラディム様に合わせるようにして、触手がぢぅうっ♡と強く乳首を吸い上げた。
「ん゛ぁ、ぁッ♡♡ま、たぁっ♡イきます♡おまんこ♡♡♡おまんこイく♡ぅ、ぁあっ♡♡」
限界まで高められた快感が、穿たれる肉楔によって一気に爆ぜる――♡
ぎゅううぅぅっ♡と強くおちんぽを締め付けるように膣内全体が収縮すると、ラディム様は低く呻いてお腹の中に熱いものを吐き出した。
「んは、ぁッ♡あ゛♡あっつぅっ……♡♡♡」
びゅっ♡びゅっ♡♡と吐き出された精液が子宮に飲み込まれるごとに、心がじわじわと満たされていくようだった。
私が、この人を満足させてあげられた――そう思うと嬉しさで胸が苦しくなる。
「っ……♡♡♡見事だよ、ユスティーナ……ここまで興奮したのは初めてかもしれない……♡」
銀色の瞳に確かな欲を滲ませたラディム様が、そのまま私の唇を奪って軽く唇を咀嚼してきた。
硬い歯でやわく唇を食まれる刺激だけで、きゅんっ♡とおまんこが反応してしまう。
「ん゛んむ、っ……♡♡」
温かくて、幸せで――それ以外のことは、もう考えられなかった。
生まれて初めて与えられたぬくもりに縋るように、私はただ彼の背を抱きしめたのだった。
● ● ●
「アリアドネの糸から作ったドレスに、堕ちた聖者の祈りが込められた香炉――こんなもの用意させるから、一体何事かと思ったじゃないですか。ご結婚されるならされるって、事前に言ってもらわなくちゃ」
首のない商人が、そう言って笑う。
いや、顔も見えないしどこから声を出しているのかもよくわからなかったが、それでもその声音は確かに笑っていた。
「お妃様も大層美人な方で――魔王様の魔力がよく馴染んでいらっしゃる。人間なんてひ弱な生き物、魔界の瘴気は猛毒でしょう? ご気分はいかがですか?」
「え、わ、私ですか……? その、悪くは……ないかな、と」
ケラケラ笑う首なし商人が、不意にこちらに話題を向けてくる。
そう――ここは魔界。人間たちが暮らすことができない、世界の裏側。
大地は猛毒の瘴気で満ち溢れ、普段生活を行っている城の外には彼のような魔族が闊歩している。
「あーらそうですか! そりゃよかった! ……って、魔王様、そんな余裕で首が吹き飛びそうな魔力向けるのやめてくださいよぉ……! って、まぁ吹き飛ぶ首がないんですけどね!」
謎のテンションで笑い続ける首なし商人だったが、彼が選んだといういくつかの品を手に取った魔王――ラディム様は、深く息を吐いてから素直にその出来を賞賛した。
「見事だ。これなら彼女の体にかかる負担を軽減できる。アリアドネの糸が用意できないと言われた瞬間、胴体の方も両断するつもりでいたが」
「ちょ、ちょっと冗談キツいですって……確かに希少な品ではありますがね、こと魔王様がご所望されているのでしたらそりゃあ仕入れてみせますよ! 俺たち魔族は、あなた様がいなけりゃとっくに滅んでたんだから」
「……フン」
その賞賛にはさほど興味がないのか、ラディム様は商人に褒美を取らせるとさっさと下がらせてしまった。
(しっかりと、国として成り立っている……それに、勇者様が魔王を倒したからといって、魔族が完全にいなくなったわけではないのね……)
低級の魔物は元の世界にも溢れていたし、地上に漏れだした瘴気の影響でその数が増えているのも知っていた。
だが、人の言葉を理解し話す上級魔族がこの国にはあまりに多い。先ほどの首なし商人だって、恐らく歴戦の騎士が束になっても敵わないほどの魔力を持っているだろう。
「……ラディム様は、本当に魔族の王になられたのですね。彼らを統治し、従わせ――人間の国のような仕組みを作ってしまわれたなんて」
「私が魔王の喉元まで迫ることができたのは、魔族の個人主義によるところが大きかった。人間は脆いが数と相性で攻め入ってくるのだし、そこを解決しなければこの種族はただ滅びていくだけだと直感したんだ」
そう語るラディム様の表情は、どことなく暗い。
元々「勇者」として魔族と立ち向かった彼は、当時メリフェット王国を統べていた王に魔王の討伐を命じられた。
突出した才能を持ったラディム様はみるみるうちに魔族を屠り、魔王との一騎打ちに臨んだのだが――そこで、あろうことか人間の裏切りに遭ったのだという。
(信じていた仲間たちに、背後から襲われて……なんて、凄惨な)
国王はラディム様に、魔王討伐の証には自らの娘との結婚を許可し、公爵の地位を授けると言ったらしい。
だが、実際に魔王を討伐できるかもしれないという段階になってから、人間たちは彼を裏切った。
利権に群がる貴族たちは暗殺者を雇い、王族たちは金にものを言わせて当時ラディム様と共に旅をしていた仲間たちまでもを買収したのだという。
「そう暗い顔をするな。私は今や魔族の王――彼らは私の臣民であり、今はこの世界が私の守るべきもの……数百年をかけて素地を整えたんだ」
「でも……その、憎んでいらっしゃるのでしょう。私を……いえ、正確には私たち――メリフェット王国の王族を」
魔王が待ち構えていたダンジョンの中、仲間たちはラディム様に致命傷を負わせ、魔王もろとも葬り去ろうとダンジョンを崩落させた。
だが、彼は「死にたくない」という一心で魔王の心臓を食らい、そして魔族として生まれ変わったのだ。
「憎いとも。だが、その憎しみを向けるべきは王族だけではない――あの腐りきった国に息づく人間ども、傲慢な地上の支配者たちすべてを、私は憎んでいる」
まるで歌でも歌うかのような気軽さで、ラディム様は人間への嫌悪と憎悪を語る。
当然だ。彼からしてみれば、命を懸けて世界を守ろうとしていたのを突然裏切られたのだから。
「今思えば私も浅はかだった。平和な世界になれば、強大な力を持った人間など邪魔にしかならないというのに」
「ラディム様……」
「だが、魔族は違う。純粋かつ純然に、強いものこそが支配者としてふさわしい。これほどわかりやすいことはないだろう? ようは私が強くあり続ければ、すべてが平らかなままだ」
たとえその果てに自らより強いものが現れても、それはそれでいいとラディム様は言う。
「私を斃せるくらいの魔族が現れたというのならば、それは単純に喜ぶべきことだ。もちろん真正面から叩きつぶすつもりで入るが――それで負けたのならば遺恨もない」
「……ラディム様は、それでいいんですか」
「あぁ、それでいい。そうすることが一番……禍根が残らない。殺した方にも、殺された方にも」
死闘の果てに、仲間に裏切れた彼の怨嗟はいかばかりだっただろう。
その時の彼の気持ちを考えると、ただただ胸が苦しくなる。
「私のユスティーナ、君は時折考えても仕方がないことで頭を悩ませるな」
「だ、だって……あんまりにも酷いお話じゃないですか。それも、私の祖先が……」
ラディム様を陥れた時の王侯貴族たちは、元をたどれば私の祖先だ。
あまりに凄惨な行いに気分が落ち込んで仕方がないのだが、彼は「すべては過ぎたことだ」と話を終わらせてしまう。
「君だって、浅はかな王族たちに食い物にされた被害者じゃないか。私と君は同類で、互いの傷を癒すためにここにいる。……それに、君はここに来てから随分と明るくなったと思っていたのに」
「……そうですか?」
「溢れてくる精気の質が目に見えて変わっている。甘さの中に深みが出て、徐々に熟成されていくみたいな――それに、表情も少し明るくなっただろう」
自覚はなかったが、どうやらラディム様にはそう見えているらしい。
とはいえ、それも当たり前だろう。魔界にやってきてから、私はとても丁寧な扱いを受けていた。
擦り切れてみすぼらしいドレスは、滑らかで柔らかい糸で作られたもので、熱さも寒さも感じない不思議なものへと取り替えられた。
食事も潔斎を目的とした質素なものから一変し、今まで食べたこともないようなおいしい料理を与えられるようになったのだ。
「君に手をかけると、わかりやすく精気の質が変化する。まるで美しい花に水や栄養を与えているような気分になって、私も随分生活に張りが出たよ」
「う……そ、それでいいのかな……」
観葉植物とか愛玩動物とかと、同じようなものなんだろうか。
一応ラディム様に精気を提供するという名目はあるものの、魔族の国で人間である私が役に立てることはあまりに少ない。
「君はただそこにいるだけでいい。積年の怒りも、憎しみも――君がそこにいるだけで癒される」
「っふ……♡ぁ、あのっ♡ラディム、さまっ……♡」
ふ、と彼が笑った瞬間に、物陰からいくつもの触手たちが這い出して体を押さえつけてくる。
押さえつけるとは言っても、私は彼らを振りほどく気はなかったし、向こうもそれほど強く体を絡め取っているわけではない――ここから逃げ出さないように、軽く体の自由を奪う程度に触手を絡められて、全身が震えた。
「すまないが、私はもう少しやることがある。すべて終わったらたっぷりと愛してあげるから……それまでは触手たちと遊んでいてくれ」
名残惜しげに手を伸ばしてきたラディム様が、柔らかく頬を撫でる。
その体温にうっとりと目を細めていると、触手たちが何本も集まって私の体を持ち上げてきた。
……どうやら、寝室まで連れていかれるみたいだ。
「私のために、たっぷりと『美味しく』なっていてくれ――いいね、ユスティーナ」
「ぅ、はい……♡♡お、おいしく、なってます♡ラディム様が戻ってくるまで……いっぱい気持ちよく、なってますね……♡♡」
ずる……♡とゆっくりと地面を這う触手が、私の体をどんどん奥へと引きずり込んでくる。
今はこの移動方法も慣れたが、最初はこの柔らかさと浮遊感が恐ろしくてラディム様にしがみつきながら泣いてしまったりもした。
(そんなに長い間、ここにいるわけじゃないけど――でも、すごく居心地がいい……)
誰かに敬われたいとか、かしずかれたいだとかを思ったことはない。
けれど、最低限誰にも嘲笑われることがない暮らしというのは、こんなにも快適なものだったのか。
それを知ったからか、私は少し欲張りになってしまった。本当はただの供物なのに、魔族の皆から「お妃様」なんて呼ばれて、気が大きくなっているのかもしれない。
「……もっと、ラディム様と一緒にいたい……」
いくら個人主義の魔族とはいえ、国を作っている以上はラディム様にも国王としての執務がある。
頭ではそれをわかっていて、できるだけ彼のことを支えてあげたいと思っているのに――心はどうしても、ずっと彼のそばにいたいと願ってしまう。
「……近くにいられるだけでも、幸せなことなのに」
儀式の贄として死ぬしかなかった私を救い上げ、大切に大切にしてくれるラディム様。
そんな彼を独り占めしたいと思ってしまう自分に、ほとほと嫌気がさした。自分は本来ここまで強欲な人間だったのか――そう思ってどんよりとした気持ちになっていると、それまで私の体を運んでいた触手たちがぴたりと動きを止めた。
「……? ど、どうしたの? 寝室はまだ先――っぅん♡♡」
ふいに、触手の先端がぢゅるんっ♡と伸びてきて、ドレスと肌の間に潜り込んできた。
いきなり訪れた衝撃にビクッと体を跳ねさせると、別の触手が腰をしっかりと掴んでくる。
「な、なにするの――ゃ、ぅむっ♡♡ん゛ッ♡♡♡」
突然暴れはじめた触手が、ぬりゅぅ……♡と淫らに蠢いてドレスの中を這いまわってきた。
粘液をべっとりとまとわせたその動きに体が震えると、今度は口の中に長い触腕を一本突き立てられてしまう。
「おご、っ♡♡ん゛♡んむぅうっ♡♡♡」
口の中をいっぱいに満たす太い触腕は、ゆっくりと蠢きながら喉奥までを犯してくる。
(くる、しい……♡けどっ♡お口おまんこみたいに使われて♡♡お腹きゅんきゅんしてきたぁ……♡♡)
ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡♡と口の中をゆっくりと責め立てられて、その度に背筋がぞくっ……♡と甘く痺れだす。
ラディム様にここへ連れてこられてから、毎日のように触手たちは私の体に愛撫を施した。柔らかなその体は私の体を傷つけることなく、ひたすらに快感のみを与えてくる。
「んぷ、っ……はぁっ♡♡だ、だめ――ここじゃ、ぁっ♡ぁ♡お、おっぱい揉んじゃだめぇっ♡♡♡」
ぢゅるるっ♡と水っぽい音を響かせながら、触手が二本柔らかな乳肉に吸い付いてくる。
丸く柔らかな両乳房にやんわりと刺激を加える触手の先端からは、じわじわと温かいジェルのようなものが滲みだしていた。
(これ、っ……♡いつもみたいに、気持ちよくなっちゃうやつだぁ……♡♡♡)
何度もおっぱいへの刺激を繰り返されたからなのか、あるいは何か特別な魔術でもかけられたのか――魔界へ来てから、胸のサイズが大きくなったような気がする。
それに伴って感度もどんどん敏感になっており、今では乳首への責めだけでイッてしまうくらいにまでなってしまった。
「や♡ぁ、あっ……♡♡乳首コリコリされるの♡んぁっ♡き、もちいぃ……♡♡♡」
こりゅこりゅこりゅ♡と触手の先端が円を描くように乳首を転がしてくると、もう気持ちいいことしか考えられなくなってしまう。
全身を弛緩させて抵抗をやめた私を抱えたまま、触手たちは城の奥にある寝室を目指して進んでいった。
「ん♡ぁ、あぁッ♡♡♡ッふ……♡♡おっぱいもっとぉ♡あ、んんっ♡いっぱい揉んで♡♡コリコリの敏感乳首、もぉ♡シコシコって扱いて♡いっぱい吸っていい、からっ……♡♡」
触手たちに運ばれながら、私は淫らなおねだりを繰り返す。
そうすると彼らは従順にその言葉に従い、次々と新しい快感をもたらしてくれるのだ。
「あ、ぁんっ♡♡んっ♡ふぅうっ……♡♡」
むに♡むに♡♡と柔らかくおっぱいを揉まれて、全身の体温が高くなってくる。
興奮してしまっているのが触手たちにも伝わっているのか、柔乳を揉むその動きは徐々に複雑になっていった。その度に痺れるような甘い疼きが広がっていって、足と足がずりずりと擦れてしまう。
(もっと♡もっと気持ちよくなりたい……♡♡♡けど、っ♡ここ、廊下――……)
もう少しで寝室に到着するのに、触手たちは愛撫に夢中でなかなかその歩みを進めてはくれない。
流石にラディム様の寝室近くをフラフラと歩いている者はいないのだが、私にだってかすかな羞恥心くらいは存在する。
「ぁ、――ま、まず寝室、にっ♡ん゛、ッ♡♡中に入ったら、おっぱいたくさん揉んで♡いっぱい気持ちよくしていい、からぁっ……♡♡」
触手たちはあくまでラディム様の末端器官のようなもので、彼本人のような知性は備わっていない。
一つのことに集中してしまうとどうしてももう一つのことが疎かになってしまう性質なので、こちらから望むように誘導してあげる必要があった。
「ね……お、おねがい……♡お部屋の中でだったら♡気持ちいいこといっぱいしても大丈夫、だから……♡♡」
上ずって媚びた声でそう懇願すると、やがて両胸を弄っていた触手たちの動きが止まった。
代わりに、再びずるずると床を這いまわる音が聞こえて体が持ち上げられる――すぐそこにある寝室まで到着すると、別の触手が扉を開けてくれた。
「ん、ぁっ……♡♡」
伸びた数本の触手によって体を持ち上げられて、体が寝台の上へと投げ出される。
私が捧げられた祭壇よりもよっぽど柔らかくて、ふかふかのベッド。
ラディム様と一緒に乗ってもびくともしない豪奢な寝台の上に寝かされた私の足元から、ぬるついた触手がずりゅ♡ずりゅ♡と這い寄ってくる。
「ぁ……♡♡い、いいよ♡またいっぱい触って……んっ♡んぅ、っ♡♡ぢゅっ♡♡」
そっと口を開いてみると、そこめがけてぢゅぽんっ♡と触手が潜り込んできた。
狭いとこを好むのか、あるいは温かいところが好きなのか――触手たちはよく咥内に入りこみたがったので、いつしか口を開けて挿入を待ち望むようになってしまった。
「んっ♡んんっ……♡♡ぢゅるるっ♡んぐ、っ♡」
ぢゅぽ♡ぢゅぽ♡♡♡ぐぷぷっ……♡♡ぢゅぷ♡♡ぬこぬこぬこっ♡♡♡
咥内に突き立てられた触手が、もぞもぞと動いて刺激を与えてくる。
柔らかな頬の内側をむに♡むに♡と押し込んできて、更にねっとりと歯列をなぞる動きがいやらしかった。
(触手、に――食べられてるみたい……♡)
疑似的な捕食は、安全だとわかっているとただの快感を生み出すための舞台装置にしかならない。
たっぷりと咥内粘膜を撫でてくる先端を可愛がるように口を窄めて、更にぢゅぽぢゅぽといやらしい音を立てながら頭を緩く動かす。
「ん、ぉ♡んぐっ♡♡ぐ、むぅっ……♡♡」
ちゅっ♡ぢゅぽ♡♡と口腔奉仕を続けながら、今度はそっと足を開いた。
既に粘液で濡れそぼった爪先から足の付け根までを、艶めかしい動きで別の触手が撫でつけてくる。
まるでマッサージをされているかのようなくすぐったさは感じるものの、抵抗はせずにすっかりと身を任せる――すると、すぐに触手たちは私が身にまとっていた下着をずり下ろし、繊毛のように変化させた先端で秘裂をなぞってきた。
「んぐ、っ♡」
ぢぅっ♡と小さく濡れた音を立てて触手が擦れると、かすかな快感が生み出されて腰が跳ねる。
トロついて温かい膣内に入りたがっているのか、触手は何度も何度も確かめるように割れ目を撫でてきた。
「ん、ぁっ……♡♡っふ♡ん、むぅっ♡♡」
大きく嬌声を上げようとすると、更に口の中をいっぱいにされてしまう。
喉奥まで太い触腕が突き立てられても、不思議と苦しくなることはなかった。
「ん……♡♡ふ、ぅっ♡♡ぢゅ♡ぢゅぽ♡♡ぢゅるるっ♡ん~~~♡♡♡」
――この触手一本一本が、ラディム様の体の一部だ。
そう思ったら、無遠慮に全身を蹂躙されるのだって愛しくて仕方がない。
彼らは私のことを必要としてくれている。私のことが欲しいから、こうして求めてくれているのだ。
(だめ……幸せすぎて、おかしくなっちゃいそう……♡♡♡)
甘い刺激にひくっ♡と腰を揺らすと、乳房にも再び触手が吸い付いてくる。
ラディム様の『教育』のおかげで、以前よりずっしりと重たくなった乳房を持ち上げてあげると、彼らは喜んでその先端にむしゃぶりついてきた。
「ん゛、ッぅ♡♡む゛ぅうっ♡」
ぢゅぽ♡と鈍い音を立てて乳首に吸い付かれ、触手の内部で尖った先端を丁寧に扱き上げられる。
しっかりと内部を見たことはなかったが、触手の内側は小さな突起のようなものが無数に張り付いていて、それがひっきりなしに敏感な乳首を刺激してくるのだ。
「んっ♡♡ん゛ぶ、っ♡ふ、ぅううっ♡ンッ♡♡」
しこ♡しこ♡♡と、まずは柔らかく内部の突起が乳首を刺激してくる。
すっかり性感帯になってしまったそこは、最早ちょっとした刺激だけでも過剰なほどに快楽を覚えるように変化してしまった。
(キた♡乳首すりすりされるの好き♡これ弱いの♡ぉ゛ッ♡♡乳首♡♡♡乳首気持ちいいぃっ♡♡♡)
ずり♡ずり♡と、次第に乳首を刺激してくる動きが強まって、腰がへこへこっ♡と下品に跳ね始める。
そうすると、まるで待ち構えていたかのように割れ目を擦っていた触手たちが蠢きだした。
「ん゛、ッお゛♡♡」
ぐぱぁ……♡♡と花が開くように先端が裂かれた触手が、クリトリスからおまんこまでを一気に包み込む。
まるで触手の下着を履かせられたかのような形になって、私は思わずジタバタと足を動かした。
(ぁ゛♡ダメ♡♡♡これダメなやつ♡おまんこもクリちゃんも、一緒に――♡♡♡)
ダメ、と思った瞬間、生温かい触手の内側がぐにゅんっ♡と蠢動を開始する。
「ん゛ぉおお゛ッ♡♡♡お゛♡ん゛っぐ♡ん゛~~~~♡♡」
ぢゅぞぞぞッ♡♡♡と淫靡に動き出した触手が、おまんこの割れ目とクリトリスを一気に刺激してくる♡
「ぷぁっ♡や、だめっ♡♡いっしょに弄っちゃ、ぁあっ♡♡♡」
顔を出し始めたクリトリスが、繊毛のような突起でぞりぞりぞり♡♡と刺激され、同時にやや大ぶりな突起が淫口をねちっこく撫で始めた。
どちらも人肌より少し熱い程度の熱を持て余しながら、念入りにじっくりと――まるで私の反応を試すかのように刺激を与えてくる。
「ん゛ォ♡お゛、ッ~~~♡♡♡ひ♡ぁあっ♡や゛、ッ♡クリトリスこすっちゃ♡ん゛♡あ♡あッ♡♡♡やだやだやだ♡いっしょにおっぱい引っ張ったら、ぁあっ♡♡」
ぞりゅっ♡♡とクリトリスを擦られた瞬間に、胸に吸い付いていた触手が乳肉を強く吸い上げてきた。
上半身と下半身で同時に与えられた愉悦は、まるで種類と方向性が違う――鈍く響くような胸への戯れと、鋭く押し上げるような下腹部への愛撫が、一気に理性を焼き焦がしていった。
「ん゛、ぁあっ♡ぁ゛♡♡イくぅ、っ♡♡♡イく♡イ、ッ~~~♡ぁ゛♡や、やめ、っ♡♡♡また気持ちいいのキちゃう♡ぁ゛♡あ♡ひ、ぅうっ♡♡」
ぢぅううっ♡♡と強く乳首を吸い上げられながら、更にずりずりと朱蕾を擦り上げられて、あっという間に快感の絶頂へと押し上げられてしまう。
「やぁ♡ひ、ぁあっ……♡♡ぁ゛♡ラディ、ム……♡♡ラディムひゃま、っ♡♡」
パチパチと頭の奥が小さく弾けるような快感に、ここにはいない最愛の人の名前を呼ぶ。
こんなに気持ちいいのに、こんなに大切にしてもらっているのに、ラディム様がいないのがとても寂しい――胸の奥に湧き上がってくる欲は、どんどん大きくふくれあがるばかりだ。
「っは♡♡やだ、っ♡ラディム様♡♡ラディム様がい、ぅうっ♡♡」
胸の奥を焦がす気持ちのままにそう口にすると、下腹部を覆う触手がぢゅこぢゅこぢゅこっ♡♡と強くクリトリスを扱き上げた。
こちらの言葉を無視するような過激な愛撫に、びくっ♡びくっ♡♡と腰が跳ね上がって止まらない。
「や゛♡♡ご、ごめ、っ……♡♡あ♡でも、っ♡やぁっ……♡♡ラディムさまと一緒がいい♡♡いっしょに♡イきたい、のぉっ♡♡」
これほど強い衝動に突き動かされたことなど、今まで一度もなかった。
触れられたい。愛されたい。彼の腕の中で幸せを噛み締めながら快感を貪る幸せを、私は知ってしまったのだ。
「っひぅ♡ラディム、さま♡♡あ♡ぁ、っ……♡♡」
「――呼んだか?」
「ッひぃ!」
よく通る声が、鼓膜を揺らした。
全身を蝕んでいた熱が一気に放散して、体が怯えたように硬直する。
「なんだ、化け物を見たみたいな声を出して……君があんまり可愛く私の名を呼ぶから、執務放り投げて会いに来たのに」
ベッドに転がされた私の真上から、まるで覗き込むようにラディム様が顔を出す。
一瞬何か起きたのかはわからなかったが、たっぷりと時間をおいてようやく理解してしまう。
――全て聞かれていたのだ。ラディム様を呼ぶ、あの浅ましい嬌声もすべて。
「あ、あああの、ら、ラディム様……」
「嬉しいよ、ユスティーナ。自分の気持ちを表に出せない君が、それだけ私のことを求めてくれていただなんて」
「は、ぷっ……♡♡ん♡」
すっと目を細めたラディム様が、細く長い指先をそっと私の唇に宛がった。
人差し指と中指をちゅっと咥えこむと、彼はゆっくりと指先を動かし始める。私はまるでご奉仕をするかのように指先にしゃぶりつき、たっぷりと唾液を絡めて舌を動かした。
「ん♡ちゅ、ぅっ……♡♡んぢゅ♡ん゛……♡♡」
「ふふ、随分上手になったね。口の中は触手でたっぷり躾けてあるし――今度はここでちんぽをしゃぶっただけでイけるようにしてあげよう。なに、覚えのいい君のことだから、すぐに気持ちよくなれるよ」
「んふぁ……♡♡ふぁ♡ふぁい……♡♡ありがとうございます……♡♡」
濡れた指先をぢゅぽんっ♡と口から引き抜いたラディム様は、その手で下腹部に張り付いた触手をゆっくりと引きはがしていく。
「随分悦くしてもらったみたいだ。……一気に剥がすが、イかずに我慢できるか?」
「ぅ――が、頑張りま、ぅうあっ♡♡お゛ッ♡♡お゛っぎゅ、ぅう~~~♡♡」
ぺりぺりっ♡と肌に張り付いていた触手が剝がされると、淫らに絡みついていた内側の突起がさらに強くクリトリスを刺激してくる♡
名残惜しげに吸着してこようとする突起を無慈悲に剥がしにかかったラディム様は、絶頂に近い快感を堪える私を見てクスクスと笑みをこぼした。
「ん゛ぉ♡おぁ゛♡♡♡ぁ゛、ッ……♡♡♡ッふ~~~♡ふ~~~~ッ♡♡♡」
「イキ我慢できて偉い偉い……♡あぁ、もうクリトリスが真っ赤だ。随分と嬲られたみたいだな……」
すっと銀色の目を細めたラディム様は、ビンッビンに勃起したクリトリスを眺めるためにベッドへと上がってきた。
「ぁ……♡♡み、見ないでくだ、さぃ……♡♡♡」
「なんで?」
「恥ずかしい、です♡♡♡おちんぽみたいに勃起して♡ま、真っ赤になったクリトリス……♡♡♡ラディム様に見られるの恥ずかしい……♡」
ツンッと真上を向いた淫芽に視線が集まるのが、どうしても恥ずかしくて仕方がない。
けれどラディム様は、菱形にいやらしく広げた足をぐっと抑え、更に間近でその淫靡な肉芽に顔を寄せてきた。
「恥ずかしいことなんて何一つない。君の体はすべてが美しいし――こんな風に変化して、いつだって私のことを楽しませてくれる」
「ん゛ぉ♡♡お゛ッ……♡♡」
ふ~~♡ふ~~~♡♡と勃起クリトリスに息を吹きかけられて、限界まで高められた快感が限界を迎えそうになる。
だけど、まだ我慢……♡ラディム様がいいって言うまで、イってはいけない。歯を食いしばって吐息による愉悦を堪えると、彼は嬉しそうに目を細めた。
「クリトリスはビッキビキに勃起してるし、まんこもトロトロになって……あぁ、やっぱり君の精気はとっても甘い――♡♡」
「ぅ、っ……♡♡♡お、お召し上がりに、なりますか……? ユスティーナの精気♡♡ラディム様のために、いっぱい気持ちよくなっておきました、から……♡♡♡いつもみたいに、この魔族おちんぽで……♡♡ユスティーナの精気タンクおまんこ♡いっぱい犯してください……♡♡♡」
はっ♡はっ♡♡と犬のような呼吸を繰り返しながら、いつもみたいにおねだりをする。
どうやら私が乱れれば乱れるほど、彼が感じている『精気の味』というものは甘く芳醇に変化していくようだった。
「――いいね。本当にいい味になった……♡♡どれ、今日はいつもより深いところまで犯してあげるから、自分で挿入れてみなさい」
そう言われ、ぐっと腕を引かれる。
触手たちの介添えもあって体を起こすことができた私は、大きく腕を広げたラディム様の膝上にそっと腰を下ろした。
「ん、ぁあっ♡♡おちんぽ熱い……♡」
するりと着衣を解いたラディム様の膝上に座ると、屹立したおちんぽがお腹にぴとっ♡と押し当てられた。
およそ人間のそれとは比べ物にならない、長くてぶっといグロおちんぽが、普段どこまで挿入れられているのかが一目でわかってしまう。
(い、いつもこんなところまで入ってるんだ……♡♡ここまで、ラディム様のことをお迎えできてる……♡♡♡)
子宮の真上でびく♡びく♡♡と脈動するおちんぽの熱を感じて、私はうっとりと息を吐いた。
「どうした、そのままじゃいつまで経っても目的は果たせないぞ?」
「ぅ……わ、わかってます……♡んぁ♡♡お゛ッ……♡♡でも♡♡お、おなかにおちんぽスリスリされるの♡♡きもちぃ……♡♡♡」
ずり♡ずり♡と腰を動かすたびに、濡れそぼったおちんぽ様が白い腹の上を擦りあげる。赤黒い雄の象徴で女の子の大切なところを撫でられるたびに、自分はこの方の雌になってしまったんだと思えてゾクゾクした。
「っふ~~♡♡♡ふぅうぅっ……♡♡♡」
「ふふ、すっかり興奮して――足の間から蜜を滴らせながら、犯されるところを想像でもしてるのか? そんなことをしなくたって、いくらでもナカを突いてあげるのに」
「んっ♡♡ご、ごめんなさい……♡♡♡ずっとラディム様のこと待ってたから♡♡頭の中、もう犯されることでいっぱいなんです……♡♡♡おまんこパコパコされることしか考えられない♡えっちなお嫁さんでごめんなさい♡♡」
こんなにいやらしくなってしまったら、さすがのラディム様も私を嫌ってしまうだろうか。
腰がソワソワする、浮遊感にも似た感覚を覚えながら謝罪を口にすると、ラディム様の大きな手が腰へと回ってきた。
「はひ、っ♡♡んぉ゛ッ……♡♡♡」
「体から力を抜いて、ゆっくりと腰を下ろす――そう、亀頭にキスするみたいに、自分から挿入れて」
むに……♡と、大きな手がお尻を掴んでくる。
柔らかい肉がラディム様の骨張った指で形を変え、食い込んで、たぷたぷと感触を楽しむように揉みしだかれた。
「っは、ぁ♡♡ぁ゛、ッ……♡♡♡腰♡♡こし、おろしますぅっ……♡♡」
「――ん」
嬌声交じりにそう宣言すると、お尻を揉みしだいていた手がぱっと離れていく。
それに名残惜しさを感じながらおそるおそる膝を曲げると、とろぉ……♡と蜜をこぼす蜜口に熱い尖端がむにゅっ♡とくっついてきた。
「っぁ゛♡♡ぁ゛~~~~♡♡あ♡あ、ぁっ♡♡♡」
ぶぢゅっ♡♡ぷっちゅぅうぅぅっ♡♡♡ぬちゅ♡ぐぽっ……♡♡ぬちぬちぬちっ♡♡
ヒクヒクと物欲しげに開いていた膣口が開いて、丸い尖端を容易く呑み込んでいく。
一度先端が入ってしまえば、後は自重で奥までぐっぽりと肉竿を咥えこむことが可能だ。隘路を太い肉幹が押し広げながら、降り切った子宮口めがけて一気に突き進んでくる。
「っふぅうっ♡♡ぁ゛♡♡あぉ゛、ッ♡♡♡ん゛、ぁあっ♡」
「は――熱い……♡♡どれだけ我慢していたんだ? こんな風になるまで――触手たちには犯してもらえなかったのか……♡」
ぐぽっ♡と下から大きく突き上げながら、ラディム様がそっと耳元で囁いてくる。
脳天までを一気に駆け抜けてくる快感を堪えるので必死な私は、こくこくと頭を上下させて意志を伝えることしかできなかった。
「ん゛、ッは♡ぁ゛アッ♡♡♡おちんぽキた、っ♡ラディム様の♡魔族おちんぽぉっ♡♡♡ぁ゛♡あ♡♡イっぐぅぅうっ♡♡♡すぐっ♡すぐイっちゃいます♡♡ん゛ッぉ♡これっ……♡イくぅうっ♡♡♡」
ぐっぽり♡とおまんこ全体でおちんぽ様を包み込んだ瞬間、これまで堪えていたものが決壊したように溢れかえる。
頭の中が「気持ちいい」しかなくなって、私は足をピンッ♡と伸ばしながら深い絶頂を味わうことになった。
「っふぅッ♡♡ぉ゛、ッ~~~♡イっぐ♡あぁ、っ♡♡ッひ、ぃ゛ッ♡♡」
「挿入れただけでイくとは――ふふ、たくさん我慢させたみたいで悪かった。もっと突いてあげるから、好きなだけイくといい」
ぐっぽぉ♡♡ぐぷんっ♡と、ラディム様が腰をグラインドさせる度に気持ちいいところが強く擦り上げられる。
いつもみたいな正常位のエッチとはまるで違う角度で責め立てられて、何度も何度も小さな絶頂を繰り返してしまった。
「っふ♡ぃ゛、ッ♡♡♡ッほ♡ぉ゛、ぉおおっ……♡♡ラディム、しゃま♡ぉ゛ほ、ッ♡♡♡ぎも、ぢぃっ……♡ぁ゛♡お、おまんこぐりぐりキくぅっ……♡♡♡」
「ん? 奥をグリグリされるのが好きか? それとも――ほら、トントン、って子宮をノックしてあげるの……どっちがいい?」
ぐぐっ……♡と私の腰を掴んで子宮口を押し潰していたラディム様が、ふいに軽く腰を動かしてその場所を刺激してくる。
重たい突き上げや痺れるような圧迫とは違う、まるで何度もキスをされるみたいな突き上げだ。たんっ♡たんっ♡♡と奥を突かれるたび、幸せな愉悦が広がって声が漏れてしまう。
「ッぁ゛♡あ゛、ッ♡♡♡そこ、ぉっ♡よ、弱い、のっ♡♡」
「知ってる――君の体のことならなんだって。なんなら、ユスティーナ以上に知っているつもりだよ……君がどこで、どんな風に感じるのか。どこを刺激されるのが一番悦いのか……私はなんだって知ってる」
ごちゅっ♡♡ぬぷっ♡どちゅっ♡どちゅっ♡♡どちゅっ♡♡♡ぐぽっ♡♡
何度もイって柔らかくなった膣窟全体を、長いおちんぽで無遠慮にかき回される。
更に、ラディム様自身の手でやんわりとおっぱいを揉まれ、触手に座れたことで赤く色づいた乳首をコリコリ♡と指で転がされた。
「あ゛、ぁぅっ♡♡乳首、もぉっ♡あ゛♡好き♡♡すき、ぃっ♡♡」
「特に弱いところだものな? 好きなだけ触ってあげるから、たくさん気持ちよくなって」
ぐぢゅ♡と濡れた音を立てて、更におまんこが突き上げられる。
下からの動きで体が逃げてしまわないように、触手たちがしっかりと腰に巻き付いてきた。
「は、ァッ……♡♡らでぃむ、しゃま……♡♡♡」
逃げられない。
この快感からはもう――逃げたくもない。
私だけに向けられるこの優しい言葉を、慈しむように触れてくる手を、振り払うことなんてできはしないのだ。
「んふ、ぁ……♡んむ、っ♡♡」
「ッ、ユスティーナ?」
気持ちよくて、愛しくて、それから少しだけ口寂しい――胸の中を支配する色々な感情に突き動かされた私は、まるで山羊のように伸びた立派な角の先をそっと口に含んだ。
「んぇ……♡♡ふ、ぁっ♡んむぅっ……♡♡」
硬くてゴツゴツして、ぬくもりも何もないラディム様の角……♡♡
ヒトとしてではなく、魔族として生きることを決めた彼の象徴を、やんわりと舌で舐め上げてご奉仕していく。
「んふぅ♡♡ぢゅ♡♡れろ♡れろぉ……♡♡んへ、ぇ……♡」
「っ~~~君は、人間だった頃の私などよりずっと厄介だぞ……♡」
「ん゛ッぉおっ♡♡♡」
れろれろ♡と口寂しいのを慰めるために角をしゃぶっていると、ラディム様が思いっきりおまんこをチン殴りしてきた♡♡♡
ごぢゅっ♡♡ごりゅっ♡♡♡と容赦なく子宮口を突き上げられ、もどかしいほどに熱を宿していたその場所が雄の欲望に屈服してしまう。
「ん゛ォ♡♡ぉ゛、むうぅぅッ♡♡♡ん゛ご、ッ♡♡ぉ゛♡♡♡ぉ、おぉっ♡♡」
ばぢゅっ♡♡ばぢゅっ♡♡♡ごりゅごりゅっ♡♡ぐぽっ♡♡ばぢゅんッ♡♡♡
(あ゛♡これ♡これ本当にダメ♡♡♡おまんこ殴られてる♡気持ちいい♡♡♡ラディム様のおちんぽで♡♡赤ちゃんの部屋こじ開けられちゃう♡♡♡こんな♡こんな風に無理矢理子宮ぐぽぐぽされて、射精されちゃったら……♡♡♡)
――確実に、孕むぅ……♡♡♡
ゾクゾクゾクッ……♡と、背筋を駆け抜けていく甘い痺れと一緒に、力強いピストンで理解させられてしまう。
私はもう、ラディム様のそばからは離れられない。
この方に連れられて魔界に来てしまった以上、私の運命は決まってしまった。ただ――永遠に近い時間を、彼に愛されるしかないのだ。
「っく、……♡奥まで挿入ったな♡このまま、っ♡この熱い子宮に射精してやる、っ♡♡♡そうしたら、そうだ――君は私と同じモノになれる。私が魔王の心臓を食らった時と同じように……♡♡♡」
「ぁ……お、おな、じ……?」
「そう――君の中で、私の魔力が混じって……♡一つになれるんだ♡♡ユスティーナ……君は永遠に、私の伴侶になる……♡♡」
どっちゅ♡どっちゅ♡♡と激しく抽送を繰り返しながら、ラディム様が興奮した様子でそう言ってくれた。
「ぁ――な、なる♡♡ぅっ♡なります♡魔族でも、っ♡人間でも♡♡♡どっちでもいい、からっ♡♡♡ラディム様とずっと一緒にいたい……♡ぁ、あんっ♡♡ずっと、お側に、っ……♡♡♡」
人間の世界では、死ぬことばかりを待ち望まれていた。
彼に捧げられるための贄として、無惨に死んでいくことを運命づけられたこの命を、ラディム様自身が救ってくれたのだ。
「ナカ……♡お、おまんこのなか、にっ♡♡♡ラディム様のザーメン♡いっぱいどぷどぷってしてください……♡♡♡いっぱいになるまで、っ♡私が、人間じゃなくなってもいいから♡♡いっぱい、注いでぇっ……♡♡」
「っ、ユスティーナ……!」
びゅるるっ♡♡びゅぶっ♡♡どぷっ♡どぷっ♡♡♡ぶぢゅぅっ♡びゅ~~~♡♡♡
ラディム様が低く私の名を呼んだかと思うと、熱い精液が一気に注ぎ込まれる。
自分の内側が大好きなひとで溢れていく感覚は、なにものにも例えられないくらい幸せだ。
ぎゅっとラディム様の体に抱きついたまま流し込まれる欲望を受け止めていると、彼もまた私の体を強く抱きしめてくれた。
「ぅ、う~~……♡♡ぁ、や……♡ラディ、ム♡さまっ♡♡♡」
彼の体温が私に移ってくるような気がして気持ちいい――そう思っていたのだが、ラディム様は精液が大量に吐き出された膣内をぐぽぐぽとおちんぽでかき混ぜてくる。
射精して熱を失ったはずの肉竿でぐぽ♡ぐぽ♡♡とおまんこを刺激されると、すぐさま質量が戻ってきた。
「あ゛、ぅっ♡♡また、お、大きくなって、る……♡♡♡」
「君があんまりにも美味い精気をくれるから、あっという間に元通りだ。さて――元気が戻ったんだから、次は二人でもっと気持ちよくなろう。全身くまなく、君がもう嫌だというまで愛してあげるから……」
欲に蕩けた銀色の目が、私だけを見ている。
そのことにこれ以上ない幸せを感じながら、私はその逞しい背中にしっかりと腕を回したのだった。
● ● ●
王国歴一一二五年――勇者による魔王討伐から六〇〇年を経たこの年、地図の上からメリフェット王国の名が消えた。
栄光の千年王国と呼ばれ、かつては勇者その人を輩出した大国は、今では魔物と正気に蝕まれて見る影もない。
王宮へ続く広い大通りの端にはどこからか流れ着いてきた荒くれ者たちがたむろし、略奪が平然と横行するような始末だった。
というのも、この国を支配していた王族の中から捧げられていた贄の巫女が、ある時から魔物たちに受け入れられなくなったのだという。
民はとうとう、王族の持つ聖なる力が魔族どもに打ち勝ったのだと喜んだのだが――その実態は真逆だった。
魔族の方が、今までよりもずっと力を増したのである。
王族の贄で抑えつけられていた瘴気が制御できなくなり、国はたちまち荒廃した。王族は世界の裏側から溢れてきた魔族によって滅ぼされ、その場で塵芥に変えられたのだった。
国はたちまちのうちに滅びの道をたどり、今では低級の魔物たちが跋扈する不毛の土地となってしまった。
「……随分と、以前と比べて様子が変わったみたいですね。王宮もないし――確か王宮前の広場には、勇者様の像があって」
「そんなもの、風雨で砕けてしまったんだろう。……しかし足元が悪いな。馬車を出すから、君はあまり動かないようにするといい。怪我はしたくないだろう」
そんな不毛の土地に、鈴のような女性の声が響く。
柔らかく慈悲深そうな、美しい女性――作りのいい黒いドレスを身にまとったその女性は、傍らに立つ黒髪の男性にそっと寄り添った。
「さぁ、久しぶりの地上だ。どこに行く? 君の好きなところに向かおう……安心していい。大半の国はもう、私たちの思うがままだ」
優しく声をかけたその男は、伴侶と思われる女性の手を取って美しく微笑んだ。
――かつての勇者と同じ銀色の瞳を持った黒髪の男と、彼に寄り添う小柄な女性。
骨鎧をまとった四頭立ての馬車に乗り込んだ二人は、周囲の惨状など気にする素振りもなく互いに幸せそうな笑みを浮かべていたのだった。