24/08/03 新しい短編を追加しました。ファンタジー+1

ヴラスの発情期

「――あの子は」
「ご用意ができております。姫様のご意向で、お部屋には媚香を焚きしめておりますので――我らは入室がかないません」
「あぁ、それでいい。政務は皇太子に一任している……ルカから緊急の要請があった場合は、すぐに宰相に繋げ」
「かしこまりました、陛下。……天空国に栄光があらんことを」

 長い廊下を、逞しい影が歩く。
 アウルラウゼ天空国皇帝・ヴラスは、すっかり人気のなくなった内宮の奥を悠然と歩いていた。
 否、表情こそ涼しげではあったものの、彼に近しい者であるならば異変には容易に気が付いただろう。実弟である宰相・アラムや、次期皇帝として内定している皇太子・ルカであれば、恐らく皇帝がどんな状態であるかはすぐに察しがついたはずだ。
 ――発情期。
 成人した竜族には定期的に訪れる、繁殖のための期間のことだ。長命である竜族は数年から数十年に一度訪れる発情期だが、ヴラスの発情期は優に八十年ぶりである。以前の発情期の際はユグドラシル族の長と交わり末子を授かったが、最早ヴラスが他種族の雌と交わる必要はない。
 雌の竜族。それも、王族の血を持つ極上の雌――己と血を分けた娘であろうと、この国の王族にとってそれは倫理などよりも優先されるべきことだった。

「私だ。……入っても大丈夫か?」

 娘の部屋に赴き、数度扉をノックする。
 聡い彼女は父の異変に気が付くと、自ら父に体を捧げたいと侍女に申し出たらしい。
 彼女もまた王族としての責務に従順であり、己の役割をしっかりと認識している。この天空国のさらなる発展のため、彼女には優秀な母体になってもらわねばならない。
 父親としては、ヴラスもまた彼女の献身に心を痛めていた。本来ならば己の子どもたちから選択肢を取り上げるような真似はしたくない。だが、彼女の兄弟たちは皆己の役割を全うしていたし、彼女自身も自らがすべきことを理解している。
 そして――竜族の雌が、それも王族の女が発するフェロモンに、雄は抗えない。強い力と高い知性を誇る竜族であっても……否、それだけの力を持つからこそ、自分たちは同族の雌と番たいという本能を捨て去れないのだ。

「ぁ――お、とうさま……? どうぞ……お、お待ちしておりました……」

 高い感度を誇る聴覚が、か細い少女の声を聞いた。
 切れ長の目を細めたヴラスが、ゆっくりと扉を開く。侍従の言う通り、扉を開いた瞬間に甘ったるい香りが鼻をついた。

(媚香とは言っていたが……どこで手に入れたものか)

 スン、と鼻を鳴らして香りの正体を確かめる。粗雑な混ざりものなどを王女の部屋に焚き染めるわけがないとわかってはいるが、大概ヴラスも過保護ではあった。

「おとぉ、さま……♡♡ぁ、っ――ご、ごめんなさい……ドア、を……♡」
「いい。そこにいなさい」

 扉を開くと、竜族の姫君は寝台の上にいた。
 本来ならば皇帝であるヴラスを迎え入れるのが彼女の仕事であるのだが、敢えてヴラスはそれを制した。

(呼吸がかなり荒くなっているな。媚香の効果だけではこうはなるまい)

 コツ、とかかとを鳴らして部屋の中に入ったヴラスは、薄布に覆われたベッドの上で小さく震えている愛娘の名前を呼んだ。
 すると、彼女は白い頬を上気させ、娼婦のようなドレスを見にまといながら父に縋るような視線を向けてくる。

「お、おとぉさま……♡♡あ゛、ッ♡」
「媚薬を飲んだのか?」
「はい――お、お父様がっ……♡パパが発情期だって、聞いて……♡♡すぐにお慰めしなくちゃって、思ったんです……♡♡♡それで、ア、アラムおじさまに、もらった媚薬をっ……♡♡♡」
「なるほど、アラムが用意していたのか」

 かつてヴラスと次期皇帝の座を争った弟は、今は宰相として国家運営に携わってくれている。
 そんな彼も王族の一員として彼女を抱くことがあるのだが、おそらくはその際に用意された媚薬だろう。彼ならば確かに、竜族に効果覿面な媚薬を用意できても何ら不思議ではない。

「でもこれっ……♡♡す、っごくてぇ……♡飲んだら、パパのおちんぽのことしか、考えられなくなっちゃった♡♡♡ご、ごめんなさい♡パパのためにお薬、のんだのにっ……♡♡♡おまんこウズウズして♡も、犯してほしくて仕方がないんです……♡♡♡」
「私のために薬を飲んだのだろう? なにも謝ることはない――いい子だ。お前はとても……」
「ん、ぁ……♡♡♡」

 柔らかな薄桃色の唇をヴラスが軽く食むと、彼女はその逞しい腕に縋って舌を絡ませてきた。
 大分体温が上がっており、絡まる舌は火傷しそうなほどに熱い。

(……すぐに挿入しても大丈夫そうだ)

 鉄壁の理性を誇るヴラスも、同族の雌が醸し出す強烈なフェロモンには抗いがたい。
 更に焚き染められた媚香の効果で、先ほどから腰の肉槍が熱を宿してしかたがなかった。

「服は着たままでいい。そのまま――うつ伏せになって腰を突き出しなさい」
「んぁ……♡わかり、ましたぁ……♡♡」

 長いくちづけを終えて、愛しい娘の耳元で甘く囁く。
 すると彼女はすぐさま寝台の上でうつ伏せになり、自分の顔を枕に埋めた。腰を高く掲げ、挿入しやすいように潤んだ蜜壺を自らの指先で広げている――普段の愛らしい姿とはかけ離れた淫靡な姿に、隆起した喉仏がゴクリと上下する。

「お父様♡♡もぉおまんこ、っ♡グズグズなんですぅ……♡♡♡パパのおちんぽ待ってて♡おまんこ弄るの我慢してたの♡♡♡すぐに犯してもらえるようにって♡イくの我慢してたからぁ……♡♡」

 淫らな雌穴が、ひくっ♡ひくっ♡♡と開閉して雄を誘っている。
 鼻先を掠める淫靡な香りを、竜族の鋭敏な五感は決して逃さなかった。

「あぁ――待っていろ。お望み通り、すぐに犯してやるからな……♡♡」

 フーッ♡フーッ♡♡と興奮した息を吐きながら、ヴラスはまどろっこしそうにベルトを緩め、下履きの中から窮屈そうに勃起していた特大の肉棒を取りだす。
 同族ならずとも、雌であれば誰もが目を奪われるような威容――これまで多くの子を成してきたヴラスだったが、それでもなおその猛々しさは衰え知らずだった。

「は♡ぁあっ♡♡パパ♡パパのおちんぽ……♡♡挿入れて♡挿入れてください♡♡♡皇帝陛下の極上ロイヤルおちんぽ♡娘おまんこでゴシゴシして♡♡気持ちよくたっぷり射精していただきたいですぅ……♡♡」
「あぁ――しっかりと、受け止めてくれ……♡」

 低く艶めかしい声が一瞬上ずったかと思うと、ヴラスは蕩け切った娘の蜜穴に思い切り肉棒を押し込んだ。
 む゛ぢゅぢゅぢゅっ……♡♡♡といやらしい音が聞こえて、剛直が小さな穴を目一杯広げていく。

「お゛ッほ♡♡お゛ぉおおぉぉっ……♡♡ぃ゛ひ、ッ♡ひぁぁあっ♡♡♡ちんぽ♡おちんぽきたぁ♡♡あ゛♡ぁんっ♡♡パパ♡♡パパのおちんぽぉっ……♡♡好き♡好きぃぃっ……♡♡♡」

 ビクンッ♡がくがくがくっ♡♡ぐぢゅっ♡♡ごりゅっ♡ばぢゅんっ♡♡♡
 然程抵抗することもなく実父淫棒を咥えこんだ少女が、体を大きく跳ねさせて一度目の絶頂を極める。
 余程媚香と媚薬が効いていたのか、挿入だけでぶしゃあぁあッ♡♡と潮を吹きながら小さな体が跳ねた。

「ん゛ッぉ♡♡お゛ッ……♡♡ほ、ひぃっ♡パパ♡ぱぱぁ……♡♡♡」
「く、っ♡これだけでイくのか……♡♡んっ、もっと、しっかり堪えないと、っ……♡♡受精できんぞ、っ……♡♡」
「ん゛ぉ♡ごぇ、っ♡ごぇんなひゃいぃ……♡♡♡」

 小さな尻たぶをぐにゅっ♡♡ぐにゅんっ♡♡と揉みしだきながら、ヴラスは無遠慮に腰を動かした。
 ばぢゅ♡ばぢゅ♡♡と鈍い音を立てて尻肉が形を歪め、突き上げるたびに狭い蜜路が雄杭の形に広げられる。白雪のような肌は興奮で上気し、それが更にヴラスの雄としての本能を煽った。

「ッふ……♡♡ふぅ、ぅっ……♡♡」
「ンぁ♡あ♡ぴしゅとんはげしぃぃ……♡♡♡ん゛ェっ♡ぇ゛、ッ……♡♡♡おにゃ、かぁ♡パパちんぽでごぢゅごぢゅされて、りゅ♡♡♡ぐるじ、っ……♡♡パパの、っ♡おっきいちんぽぉ……♡♡♡」

 容赦のない突き上げに耐えるように、姫君は必死で枕を握りしめて快感に耐える。
 だが、ぽってりとした唇からこぼれる嬌声を堪えることはできず、およそ王族とは思えないような下品な声が部屋の中に響き渡った。

「んぁ♡あ♡♡しきゅ、ぅぅう……♡♡♡ウズウズして、ぇっ♡パパの、っ♡♡つよつよ皇帝せーえきで孕みたがってるんですぅ♡♡♡また♡また孕ませて♡♡パパの、っ♡血のつながった父親ザーメンでぇ♡♡卵孕みたい♡孕むっ♡♡んぉっ……♡♡」
「もちろんだ……♡♡しっかりと、卵を孕ませてやるからな……♡」

 ぶっぢゅ♡♡ぼぢゅんっ♡♡どちゅどちゅどちゅっ♡♡♡
 普段は彼女の体に負担をかけすぎないようにしているが、発情期の交合となれば話は別だ。
 常には冷静な灰色の瞳は同行が開き、禁欲的な印象を抱かせる唇は血が滲むほどに強く噛み締められている。

(孕ませる――そうだ、この雌を、ッ……♡♡極上の胎を持った、ッ♡この女を孕ませる……♡♡♡)

 偉大なる竜族の王、数多の種族との間に子を成した天空国の皇帝が、理性をかなぐり捨てて娘の体に覆いかぶさる。
 真っ赤になったうなじに歯を立てると、彼女は子犬のような声を上げて更に体をくねらせた。

「ンぁ♡ひ……♡♡い、ったぁ♡♡あ♡あっ♡♡ごめんなさい♡噛んで♡噛んでいいですぅっ……♡♡パパに歯型♡いっぱいつけられたい♡♡♡パパのメスだってマーキング♡いっぱいしてくだしゃい♡♡んほ♡♡ぉ゛おっ……♡♡」

 パンパンパンッ♡と一定のリズムで膣奥を犯してやると、次第に娘は言葉を発することもできなくなったようだった。
 最初は雄を煽る言葉を並べ立てていたが、それが徐々に意味のない嬌声の羅列へと変わる――この瞬間が、大切な娘をただの雌に堕としたような気がして好ましかった。

「く、ぅっ……♡♡まだ、っ♡まだ気をやるな……♡♡♡発情期、のっ♡褥が……♡一度や二度で終わると思うな……♡♡」
「はぇ゛ッ……♡♡お゛♡おひ、ぃいっ……♡♡んぇ♡パパ♡ぱぱぁ……♡♡♡」

 二回りも三回りも小さな体を押さえつけ、力づくで体を開く。
 蕩けた声で父のことを呼ぶ声が、更にヴラスの理性を奪ってきた。

「んはぁあっ……♡♡おまんこぎもぢ、ぃ♡犯されるの好き♡♡♡好きぃっ……♡♡」
「っ――年を経た父のモノでは、なかなかイけないんじゃないか? ん……♡兄たちの若い肉棒の方が、ずっとイイだろう……」
「やぁあぁ♡♡パパ♡パパのおちんぽがいい♡パパちんぽに甘えたいですぅっ……♡♡♡あ♡ぁあっ♡♡」

 わざとらしく耳元で煽ると、娘はふるふると首を振りながら涙をこぼしてその言葉を否定した。
 普段ならば、彼女と他の息子たちを比較するようなことはしない。それはただ一人雌として生まれた彼女の尊厳を傷つける行為であるし、息子たちにとっても無礼であると考えていたからだ。
 だが――今は、そのようなことを考えていられる理性も余裕も、ヴラスには存在していない。
 お気に入りの雌の羞恥を煽り、快感を高め、ちゅぱちゅぱっ♡♡といじらしく吸い付いてくる子宮口に幾度も切っ先をめり込ませた。

「んは、あぁ゛ッ♡♡あ♡パパ♡パパっ……♡♡イく♡♡イきましゅ、ぅ♡ん゛ォッ……♡♡♡おまんこイく♡♡パパのおちんぽで子宮口トントンされて♡♡メスアクメするぅっ♡ぁ゛♡♡あ゛~~~~ッ♡♡」
「ぐ、ぅっ……♡♡♡」

 狭隘な膣路がぎゅ~~~♡と極太の肉竿を締め付け、吐精を乞う。
 深い絶頂を極めてビクつく娘の体を組み敷きながら、ヴラスは何度も何度も膣奥を穿った。

「ん゛ッは、ぁ゛♡♡ま、らぁっ……♡ぁへ、ぇ♡イぐ、っ♡♡♡イったばっか、なのにっ♡あんっ♡♡♡アクメくりゅ♡お゛♡♡お゛♡ダメダメダメダメ、っ~~~~♡♡♡」

 どちゅんっ♡♡と体重をかけて奥を突き上げると、しなやかな少女の体が更に大きく跳ねた。
 精嚢から熱いマグマのようなものが駆け上がってくるのを感じながら、ヴラスは眉間をぐっと寄せて娘の体を押さえつける。

「っ……♡♡そろそろ、射精す、ぞ……♡受精の準備をしろ……♡」
「ふぁ♡あ♡♡はひ、ぃ♡パパのせーえき、でぇ♡孕む準備できてましゅぅ……♡♡♡パパのつよつよせーし、で♡卵子犯されたい♡♡いっぱい卵産むから、っ♡♡出してぇ♡だしてくだしゃい……♡♡♡」

 だらしなく舌を突き出した少女の体にのしかかりながら、ヴラスはスパートをかけるように腰を動かした。
 どぢゅっ♡♡ごぢゅっ♡ばぢゅんっ♡ばぢゅっ♡♡♡パンパンパンッ♡♡ごりゅ♡♡♡

「ッく……♡♡」
「あ♡ぁ゛~~♡♡れて、りゅ♡お゛ッ……♡♡♡パパ、っ♡パパのせぇし、っ♡ンぁ♡♡一気にキてるぅっ……♡♡んぁ♡イっぎゅ♡♡お゛♡しゃせぇされながらイく♡♡おまんこでせーえきゴクゴクしながら、っ♡♡孕ませアクメしゅるぅぅ……♡♡」

 喜悦に体を震わせ、涙を流しながら何度目かの絶頂を極めた娘の最奥に、特濃の精液が絶え間なく注ぎ込まれる。
 竜族の皇帝ともなれば遺伝子としては極上、その強さも生物の中で最たるものを誇るのだが、悲しいかなその種が彼女の中で芽吹いたことは一度もない。
 純血の竜族の存在が伝説とまで言われているのは、同族間における生殖が非常に難しいからだ。
 長命であり弱点が少ないというのは、生物にとって紛れもない強みである。だが、強い生物であるからこそ繁殖が難しい。数十年振りの発情期、ヴラスが政務をかなぐり捨てて娘を抱き潰したとしても、それが子として生まれ出でる確率はごくわずかだった。

「っ……孕め、っ♡♡私の子を孕むんだ――いいな? 他の誰でもない……私の種で、しっかりと子を孕みなさい……♡♡」

 祈りか、はたまた呪いであるのか。
 深い絶頂の余韻に身を震わせる娘の、赤い耳元でヴラスは囁く。
 夢うつつの中でこくこくと頷く愛娘の口元に優しいキスを落としながら、巨躯を誇る竜の皇帝はそっと少女の体を抱え上げた。

「ん、ぁ……♡♡パパ……?」
「もう一度だ。種がお前の中に芽吹くまで――お前のことを犯してやる」

 更にそう囁くと、彼女は愛らしい目元を淫靡に蕩けさせ、それから逞しい父の胸板に体を預けた。

「はい……♡いっぱいザーメン注いでください……♡♡発情期の間……いっぱい愛してもらえるように、がんばります……♡♡」