Skebでご依頼いただいた小説です。
正義の変身ヒロインが、元悪の幹部である恋人とらぶらぶえっちをするお話
「待て――ルナティック・シトラス!」
「待てって言われて待ってあげるほど、私優しくないんです。……さようなら、怪人さん」
ふ、と息を吐いた私は、右手を前に突き出して意識を集中させた。
次の瞬間、そこから放たれた白い光が目の前の異形を薙ぎ払う――そして、全てが消え去った虚空に向けて叫ぶのだ。
「月光の矢はあなたたちを逃がさないわ。プランツェ・オーダー――私は絶対に、お前たちを許さない」
どこにいるのか、誰が聞いているのかもわからない言葉だ。
だけど彼らは――プランツェ・オーダーと名乗る対人類組織は確実にここで私の言葉を聞いている。
「このルナティック・シトラスが、絶対にお前たちを倒してみせる……!」
周囲を覆っていた重苦しい空気が霧散し、夜のとばりが降りた街中はようやく美しい月の光を跳ね返す。
私こと橘やまとは、人類共通の敵であるプランツェ・オーダーに対抗する汎人類機関『ウィッチ・クラフト』の一員だ。日常生活を送りながら、プランツェ・オーダーの進行があった際には魔法戦士ルナティック・シトラスとして戦うことを義務付けられている。
「っくぅ……! 今日も疲れたぁ……」
まぁ――平たく言えば、魔法少女とか変身ヒロインとか、そういう言葉が該当するんだろう。ルナティック・シトラスとして駆けまわる時、私は通常の人間よりもずっと頑丈で、ずっと強くなることができる。
とはいえ、怪人を倒した後は基本的にオフだ。支給されている腕時計型の端末からウィッチ・クラフトの本部に戦果を報告して、それで業務終了。
今日は三体の怪人を同時に相手したので、流石に疲労困憊だ。
(今日はもう帰って、空木さんと一緒になにか食べようかな……)
若干ふらつく足取りで討伐報告を終え、帰路に就く。
変身を終えた後は体への負荷がなかなかで、ついぼんやりとしてしまうのだ。
だから気付かなかった。私の背後で蠢いた陰の気配も、空を切って繰り出された最後の一撃にも――気付いた時には、もう遅かった。
「死ね、ルナティック・シトラス!」
「え……」
黒い槍が、ギュルギュルと螺子のように旋回しながら私の頭を狙う。
反応が一瞬遅れて、逃げることすらできない――その瞬間、私は死を覚悟した。
「――散華なさい」
けれど、苦痛はいつまでたっても襲ってこない。
代わりに訪れたのは、バランスを崩した体をしっかりと受け止めてくれる感覚だ。
恐る恐る目を開けると、紅茶色の髪をした男性が薄く微笑んでいる。
「不用心ですね、ルナティック・シトラス」
「う、空木さん……! 助けてくれたの……?」
「遅くなってきたので、車で迎えに来たんです。そしたら、彼らが君のことを狙っている様子でしたので……あぁ、でもよかった。怪我はありませんね?」
銀縁の眼鏡をかけた男性――空木さんに頷き返すと、彼はにっこりと笑って体勢を整えてくれた。
「ここは私にお任せを。ルナティック・シトラスの手を煩わせる必要もありません。私が今、ここで終わらせて差し上げる」
柔らかい口調とは裏腹に、純度の高い殺気が赤い剣になって敵を打ち砕く。
……さすが、としか言いようがなかった。私を狙った怪人はそれこそ跡形もなく散華し、世界には再び静寂が訪れる。
(改めて……自分がどんな相手と戦ってたのか、よくわかるっていうか……)
呆然とその光景を眺めているしかできなかった私は、彼と初めて出会った時のことを思い出した。
圧倒的な膂力と、その高い戦闘力――かつて敵対しあっていた時、私と彼は何度もその刃を交わしてきた。
「ふぅ……少し体が鈍りましたかね。コンマ単位ではありますが、樹装起動に時間がかかっている」
「い、今ので?」
「えぇ。本来私の樹装は、起動までの時間を極端に圧縮してあります。総統たちと違って、私は大型樹装を装備できませんから……スピードで攻めるしかないんですよ」
樹装――それは、プランツェ・オーダーの上位幹部たちが纏う、超強力な魔術による武装だ。私たちウィッチ・クラフトが変身するときに使う能力も、この樹装を元に作られている。
そして空木さんは、かつてプランツェ・オーダーの第三幹部という立場に立っていた。
敵の中でも、総統のカズラ、副総統のフヨウと並ぶ大幹部――そんな彼は今、更紗空木という一般男性として社会を生きている。
「ですが、あまり樹装を使いたくないというのも本音です。あなたとともに人間として生きると誓ってしまった以上、総統に授けられた力を振り回すというのはフェアじゃない」
「でも、空木さんがいないと私……多分死んでた。ありがとう……」
ぎゅっと彼の腕を掴むと、空木さんは優しく微笑んで額にキスをしてくれた。
少し前、私たちが愛し合い、そして敵対していた時から比べたら、この瞬間は奇跡のようなものだ。
「死なせはしませんよ。あなたを助けるためなら、樹装だろうが魔法だろうがなんだって使い倒します。……さぁ、疲れたでしょう? 今日はミルクたっぷりのカフェオレを用意してますから、帰りましょうか」
軽く抱きしめられて、彼の香りに包まれる。
こうされると、誰にも隠すことなく、誰からも責められることなく互いを愛し合えるこの瞬間が、現実であると実感することができるのだ。
(お互い、殺し合うしかできないって思ってたけど――)
ウィッチ・クラフトとプランツェ・オーダーは長年の間敵対しあっている。
人類を滅ぼそうとするプランツェ・オーダーに、人類を守ろうとするウィッチ・クラフト――その戦いの中では、双方尋常ならざる量の死傷者を出してきた。
私だって、プランツェ・オーダーに与する者は倒すべしと教わって生きていたのだ。……そんな中で、まさかオーダーの第三幹部と愛し合うことになるとは、思ってもみなかった。
「そうだ、やまとさん」
車の中で名前を呼ばれて、顔を上げる。運転している時の空木さんの横顔はとても穏やかで、彼が今の生活に対して安らぎを感じていることが伝わってきた。
「ど、どうかしました?」
「外宮さんへの報告はいいんですか? 今日は一人での討伐だったでしょう」
「あ……そ、そうだった! ごめんいちご……!」
外宮いちごは、私と同じウィッチ・クラフトの魔法戦士――彼女はサンシャイン・ベリィという名で戦っている。私とは長年バディを組んでいたのだが、今日は単独手の討伐任務だった。
「いちご、夜遅くにごめん! 今討伐終わったよ……!」
『あっ、やまとちゃん! よかったぁ……今、空木さんも一緒?」
スマホで電話を掛けると、いちごは軽やかな声で通話に応じてくれた。
先日の任務で大怪我を負ってしまったいちごは、現在ウィッチ・クラフトの本部で療養中だ。当然彼女も、空木さんと私の関係を理解してくれている。
「う、うん。一緒にいるよ」
『そっかぁ! じゃあ夜でも安心だね。……その、すみれさん――ユピテル・ヴァイオレットのことで、本部もピリピリしてるみたいだから。やまとちゃんも気を付けてね』
「あ――う、うん。私は大丈夫。それよりいちご、怪我は大丈夫?」
いちごの怪我は順調に回復に向かっているらしく、来週にも戦線復帰が期待できるそうだ。
その事実に安堵しながらも、話題に上がったもう一人の戦士のことを考えて心が痛む。ユピテル・ヴァイオレットは、私たちが戦い方を教わった先輩の名前だ。
『じゃあ、療養が終わったらまた連絡するね! ……やまとちゃん、無理だけはしないで』
「うん。ありがとう――いちごが帰ってくるまで、ちゃんと私がこの街を守るから」
そうして通話が終わると、思わず深いため息が出てしまった。
運転席の空木さんが、心配そうに視線を向けてくる。
「ヴァイオレットさんのことですか?」
「うん……もう半月ですよ。すみれさんがいなくなって――今頃、カズラに酷いこと……されてないといいけど」
「総統は彼女にかなりご執心でしたからね。少なくとも、暴力は振るわれていないと思いますよ」
頼れる先輩――魔法戦士として長らく最前線で戦っていたすみれさんは、半月前に消息を絶った。
その件にオーダーの総統であるカズラが関わっているというところまでは突き止めたものの、彼女の消息は依然として不明のままだ。
「大丈夫ですよ、やまとさん。ヴァイオレットさんは五体満足ではあるはずです――総統はかなり美意識が高い方ですから、自分の美的センスにかなったものを壊したりはしません」
「うん……だといいんだけど……」
今もウィッチ・クラフトの専門機関が彼女の行方を追っている。
私にできることは、いちごやすみれさんが戻ってくるまでこの街を、世界を守り通すこと。
わかってはいるけれど、それ以外に何もできない自分が歯がゆかった。
「――疲れていると、余計なことまで考えてしまうものです。さぁ、着きましたよ。温かいものでも飲んで、少し休みましょう」
車が、ある小さな店の前で停まる。
空木さんは小さなカフェを営んでおり、そこの二階を住居にしている。戦いが終わると、彼は必ずここで温かい飲み物を飲ませてくれた。
「ありがとう、空木さん」
「すべては可愛いあなたのためですから」
眼鏡越しに微笑んだ空木さんが、車から降りてお店のドアを開けてくれた。
時間的には既に閉店しているにも関わらず、彼はいつも私のためだけに店を開けてくれる。
「今日は特別に、蜂蜜を多めに入れておきますね。ハニーラテ、お店でも人気なんですよ」
コーヒーの香ばしい香りが、店の中に立ち込める。
カウンター席に座った私は、慣れた手つきでカフェオレを淹れてくれる空木さんをじっと見つめていた。
「今、やまとさんは一人でこの街を守っている。私がいつも手を貸してあげられるわけではないですし――私自身、総統や副総統に命狙われてますしね」
あっけらかんとして笑う空木さんだけど、それは紛れもない事実だ。
空木さんは向こうから見れば裏切り者で、高度な戦闘技術や貴重な樹装の情報をそのまま持ち出してしまった。
その為、私たち以上にオーダーから命を狙われているというのが現状だ。
「だから、私がしてあげられるのはこれくらい……情けない限りです。愛した女性の一人、ろくに守れないとは」
「空木さんがいてくれるから、私は戦えるんですよ? そうじゃなかったら、もうとっくに……」
カウンター越しに差し出されたカフェオレを受け取って、そのまま口をつける。蜂蜜の優しい味わいが、ささくれだった心を癒してくれた。
「とっくに、心が折れてます。こんなこと、あとどれくらい続けたらいいのかって」
プランツェ・オーダーとの戦いは、先が見えないものだ。
彼に近くで支えていてもらわなかったら、私はとっくにダメになっていただろう。
「やまとさん……」
痛ましげな表情を浮かべた空木さんは、中指で眼鏡のブリッジを押すと、ことさらに優しい声音で私に語り掛けてくる。
「……そうだ、ケーキも出しちゃいましょうか。今日は甘いものをたくさん食べて、少し二人でゆっくりしましょう。ね?」
その言葉に、私はそっと頷いた。
余裕がなくなっている時は、なにを考えても空回りするだけだ。
そのことを気付かせてくれた空木さんに感謝しながら、差し出されたベイクドチーズケーキとカフェオレを堪能する。カロリー多めとか、砂糖摂りすぎとか、そんなことも一回頭の外から追い出した。
「空木さんって、ケーキとかも作るんですね」
「えぇ。人間の料理っていうのは興味深いものばかりで、学ぶのは楽しいですよ。それに、私自身甘いものが好きですから」
空木さんが飲んでいるのは、甘さを加えないブラックコーヒーだ。
夜にそんなものを飲んだら眠れないのではないかと思ったが、そもそも空木さんはショートスリーパーだ。コーヒーを飲もうと飲まなかろうと、元々睡眠時間自体が少ない。
ぐび、と最後の一口を飲み干すと、彼もそっと目を細めてコーヒーカップを置いた。
「それに――味が濃いものって、なにか仕込んでも気付かれにくいじゃないですか。そこを研究するのも、面白いですし」
「え、っ……あ、あれっ……?」
とくんっ、と心臓が跳ねたのは、その時のことだった。
じわじわと体の内側が熱くなる感覚――だけど、店の中は特段エアコンをつけたりしているわけでもない。
「空木、さんっ……カフェオレ、何入れたの……!」
「体温上昇を促す薬剤――平たく言うと、媚薬ですか? 昔取った杵柄なんですが……その様子を見ると、なかなか即効性があるようだ」
ぐにゃりと視界が歪んだかと思いきや、心臓が強く脈打ちだす。
呼吸を荒くしてテーブルに突っ伏す私の背中を、空木さんがトントン、と軽く叩いてくれた。
「あ、ぅっ……♡」
「目元が潤んできましたね。発汗作用と、脈拍の増加も確認。……体温はいい具合に上がっていますし――触覚の感度も良好、と」
「あ、ゃっ♡うつぎ、さっ……♡♡」
「今だけは、考えることをやめてしまいましょう。頑張りすぎるといつか破綻してしまう――大丈夫、私のせいにしていいですから」
穏やかな声音だったけれど、その芯には確かに熱が宿っていた。
ぎゅっと抱きしめられると力が抜けてしまって、身中の熱も相まってか体がぶるりと震えた。
「んぁ……♡きょ、今日、するんです、か――」
「あなたがそれを望んでくれるなら」
ずるい人だ。こんな状態の私に、選ばせようとしている。
この腕を振りほどいたって空木さんはなにも言わないだろう。きっといつものように、優しく笑って私のことを寝かしつけてくれる。
「ぁ――か、体、熱いの……♡お腹のところが、切なくてっ……♡♡」
だけど、それを振りほどけるほど私は強くない。
両肩にのしかかる責任感と不安、疲労と恐怖、それらすべてを、蜂蜜の甘さにとかして飲み干してしまった。
「気持ちよく、なりたい……♡空木さんとえっち、したいです――」
「いい子ですね。自分が思ったことをちゃんと言葉にできる……ご褒美に私も、たくさんやまとさんのことを気持ちよくしてあげますからね」
ちゅ、と額に唇を押し当てられて、体が震えた。
甘えるように彼の首に腕を回すと、しっかりと体を抱き上げてくれる。
「お店でシちゃいましょうか」
「そ、れは――ベッドの上がいい、かな」
「わかりました。では、私は少し店の片づけをするので……いつものように、彼らで練習しておいてください」
まるで、学校の先生に諭されているような気分だ。
彼の指示にこくりと頷くと、空木さんは私のことを二階の居住スペースに連れて行ってくれた。
家に帰らずにここに泊まらせてもらうことも多いから、ベッドのサイズはダブル。窓を彩るカーテンも、小さな机の上に置かれた観葉植物も、どれも私が選んで買ってきたものだ。
人間と敵対していた空木さんには、ヒトと同じようなものを愛でる感覚というのが存在しない。部屋も殺風景でカーテンもなかったので、見かねて用意したのだ。
「ここで待っていてください」
「ん……すぐ、帰ってくる?」
「片付けだけですから、すぐに終わりますよ。……後のことは彼らにお願いしますから。――眷属」
パチンッ、と小さく指を弾く音が聞こえたかと思うと、空木さんはこちらに背を向けて店に戻ってしまう。
その代わり、私の目の前には黒くうねる影が一つ。
「え、えっと……よろしく、ね?」
彼が『眷属』と呼んでいるのは、軟体生物を思わせる形の触手だ。元々は液状らしいのだが、彼のもつ樹装の能力で固形化しているのだという。
「――さ、触っていいよ。大丈夫……ちゃんと、空木さんに許可はもらってるから」
ベッドの上にぺたんと座ったまま、触手に向かって手を伸ばした。
すると、それはするすると蛇のように地面を這って私の元に近づいてくる。
……コレで慣らしておけと言われたのには理由がある。実は、今よりもっと前――彼とお付き合いを始めた頃に、何度かベッドの中で失敗を繰り返した。
(空木さんの、おっきいんだもんなぁ。慣れてなかったとはいえ……トラウマになってない、よね?)
ずるずると這いあがってくる触手のために、着ていた服を脱ぎ捨てる。
眷属たちには知能が備わっておらず、基本的には空木さんが設定したプログラムの通りに動くだけだ。樹装の能力の一部を使っているので、生物のようには扱えないらしい。
だから、服は私が脱がなければならない。
着ていたワンピースとブラジャー、ショーツを脱ぎ捨てて、少しひんやりとした触手の感触を肌で確かめていく。
「ん、んっ♡」
火照った体に、冷たくしっとりとした感触の触手はとても気持ちいい。
しばらく体を這いずり回っていたそれは、徐々に粘性のある液体を全体に滲ませてきた。
「ぁ、んんっ……♡トロトロになってきたね……私と同じだ」
くすぐったさと気持ちよさを感じながら身をよじると、体の上を這う触手がにちにちっ♡と卑猥な音をたてた。
この音を聞いているだけで、媚薬によって高められた体温が更に高くなる。お腹の辺りがもぞもぞしてきて、息がだんだんと荒いものに変わっていった。
「んぁ♡もっ……♡いいよ、触ってっ……♡♡くぁ、あ、ンっ♡♡♡」
ぢゅる……♡と、まるで舌なめずりをするような音が聞こえたのは気のせいだろうか。
黒くうねる柔い体は、先端を私の唇に押し付けて咥内を犯し始めた。
「ぉ゛、んっ♡♡んくっ♡♡んふ、ぅ……♡んぢゅっ♡ぢゅるるるっ♡♡♡」
まるで甘えるように舌に絡んでくるそれは、なぜかほんのりと甘い。
この体液にもたっぷりと媚薬成分がまぶしてあるらしく、ちゅぱちゅぱと音を立てて舐めしゃぶっているうちに、頭の奥の方に靄がかかるような感覚を覚えた。
「んくっ♡ん……♡ぁむ、ぅっ……♡♡」
ちゅぱっ♡ちゅぱっ♡♡ぢゅるるるっ♡♡ぬぷぬぷっ♡ぢゅぱっ♡♡♡
冷たくてねっとりとしたそれを夢中で舐めしゃぶると、長く床まで伸びていた他の部位がうねうねと形を変える。
一回り細い数本の触手に形を変えたそれは、弛緩した私の腕や足に絡まり体の中心を目指していく。
(甘くて――おいしい……♡ちゃんと舐めなきゃ。空木さんに言われたんだから――ちゃんと、ご奉仕しなくちゃ……♡)
ぐぽ♡ごぽっ♡♡と音を立てながら、丸い先端を舌先でなぞる。
奥歯と頬を両方使ってぢゅっぽぢゅっぽ♡と扱きあげていくと、心なしか咥内を蠢く触手が喜んでいるような気がした。
そもそも生き物ではないのでそんなことはあり得ないのだが、反応があるだけでも嬉しい。
「んごっ♡ぉ゛ッ♡♡♡ぉ゛むぅっ♡♡」
ぢゅこぢゅこぢゅこっ♡と咥内を激しくピストンされて、喉奥までも犯される。
苦しさの中に垣間見える心地よさにうっとりと目を細めると、こちらも忘れるなと体に絡んだ触手が蠢き始めた。
「ん゛ぅ♡♡」
最初に動いたのは、上半身を重点的にまさぐっていた触手だ。
両方の腕をまとめて縛り上げたそれは、突き出た先端を胸の頂に伸ばす――ツンと張った乳首を軽く突かれただけで、まるで電流が駆け抜けるかのような痺れが巻き起こった。
「ぉ゛ひっ……♡♡ぁ♡ぁんんっ♡♡んぐぅっ♡む゛ッ♡♡んむッ♡♡♡」
人間の指でそうされるようにぐにぐに♡と触手の先端が乳首をいじめはじめる。
媚薬の効果で敏感になったそこは、クリトリスを触れた時と同じくらいに心地好く、抗いがたい快感を巻き起こした。
「んぎっ♡ん゛んぅっ♡♡♡お゛っ♡♡おひっ♡♡♡やっ♡ああぁっ♡♡♡」
触られただけで、頭――ビリビリするっ……♡乳首クリトリスにされちゃったみたい♡♡ちょっとツンツンってされただけなのに♡♡おまんこぐちょぐちょになっちゃう♡♡♡
「や、ぁあっ♡♡♡やめ、ッお゛ンっ♡♡ひ、ひぃっ♡だめっ♡♡ぁ゛っ♡♡ぐりぐりしちゃっ……♡あ、あぁっ♡♡♡」
ぴたんっ♡ぴたんっ♡♡と触手の先で乳首を叩かれ、私は舌を突き出して喘ぎ続けた。
触れてくるのはほんの一瞬なのに、しっとりとした体表が乳房に吸い付いてきて刺激の発生が一拍ずつ遅れてくる。
身悶えするように体をねじると、触手は先端をブラシ状に変化させてぞりぞり♡とおっぱいをなぞり上げてくる。
「お゛ひっ♡♡ひ、ぁあぁっ♡♡♡らめ、それだめぇっ♡ぁ゛ッ♡あんっ♡♡♡おっぱいごしごししちゃ♡♡んひ♡ィッ♡♡♡」
ぞりゅぅ……♡ぬぢぬぢぬぢっ♡♡♡ぢゅこっ♡♡ぬちぃ♡♡ぢゅぷっ♡♡
粘性のある体液を吐き出しながら乳首をいじめられて、私は無様に腰をくねらせた。膣内は浅ましく雄を請うために蠢動しだし、おまんこはくぱくぱと開閉して蜜を垂れ流し始める。
「あぇっ……♡おちんぽ……♡♡おちんぽ欲しくなっちゃう……♡♡触手おちんぽで♡おまんこぐぽぐぽって犯されたくなるぅ♡♡♡」
まだだ――まだ、空木さんが戻ってきてないのに。
なのにもうイきそうになっている。体が熱を欲して、どんどん貪欲になってしまう――♡
「だ、だめ……♡ここ、はっ♡空木さんのための場所だから……♡♡♡」
はふ、と息を吐いて体勢を整えようとすると、先ほど咥内に侵入してきた触手が再び唇に押し付けられた。
「んむぅっ……♡んぐ♡ぐ、ぅっ♡♡」
体全体が、性感帯になってしまったみたいだ。
今度は咥内だけではなく、喉奥の深い場所までもごちゅごちゅと犯される。
だけど苦しさは感じなくて、代わりに得も言われぬ官能だけが体を駆け巡っていくような心地だった。
「――お待たせしました。おや、随分と仲良しですね、やまとさん」
「ん、ふぅっ……♡ふぁ♡あっ……♡♡♡うつぎ、さん♡♡」
喉まんこを好き勝手に犯されていると、聞き馴染みのある声が鼓膜を打った。
触手たちも、空木さんが戻ってきたのに合わせて動きを止める。黒々とした軟体のそれに体を絡めとられながら、私はうっすらと目を細めた。
「お店の片づけが終わったので、ここからは私がお相手をさせていただきましょうか。――ゲブリュル、戻って」
空木さんから指示が出されると、触手たちは私をベッドの上に下ろしてずるずると引き下がって彼の影の中に戻っていってしまった。
いつも思うけれど、樹装の力は魔法じみている。こういうところを見るたびに、私が付き合っているひとは人間ではないのだと思い知らされた。
「お楽しみの最中失礼しました。ですが、あのまま眺めていてもらちが明かないので」
「い、いえ……あの、お帰りなさい」
着ていたシャツのボタンをやや雑な手つきで外すと、空木さんはそのまま私の瞼にキスをしてくれた。
「ただいま。――さて、彼らにどこまで触れられましたか? 見たところ――乳首はかなりいじめられたようですが」
「ぁうっ♡んっ……♡♡ぁ、はっ♡」
ピンッ♡と指先で乳首を弾かれて、体が大きく震えた。
先ほどまでブラシ状の触手でたっぷりと嬲られていたそこは、ちょっとした刺激でも十分なほどに快楽を受け取ってしまう。
「ちょっと触られただけで、乳首勃起してますね。こんなに硬くしこって――媚薬って言っても、そこまでの量は仕込んでいなかったんですが」
薄い唇を笑みの形に歪めながら、空木さんはくにゅっ♡くりっ♡♡と指先で乳首を捏ねまわし続ける。
そこから生み出される微弱な刺激が体の中で倍増されて、私はヘコヘコと腰を揺らしながら快楽を受け入れることしかできない。
「ぁううっ♡♡ん゛ッ♡んぅ♡♡♡ち、ちくびばっかり――♡ぁ♡さわ、っちゃ……♡♡」
「おや、これだけでは足りないと?」
欲しがりさんなんですね、と囁くその声は、確実にこの状況を楽しんでいる。
思い返せば、彼はここぞという場面で意地悪になる。敵対していた時だって、私や仲間の力を削いでは楽しそうに微笑んでいた。つまり彼は、結構サディストの側面が大きい。
「足りないのでしょう? ここに触れられるだけでは、生じた熱は解消できない。それならどうすればいいか、やまとさんならわかりますよね?」
眼鏡越しににっこりと微笑む空木さんに、私は思わず歯噛みした。
どうあっても、ここで私は彼に懇願するしかない。――もうとっくに、理性は限界を迎えていた。
「ぁ――お、おっぱいだけじゃ、足りない……です♡♡お口犯されただけで……♡おまんこもうぐちょぐちょになってて♡も、もっと触って♡♡触ってください♡♡♡」
普段は料理を作ってくれる彼の手を、左の乳房に押し当てる。
むにゅぅ♡という柔らかい感触を押しつけると、彼はゆっくりとその指先に力をこめ始めた。
「どこをどう触ればいいのか、教えてくれませんか? 人間の性感帯は、いまだ私にも理解しがたいものだ」
「い、意地悪……!」
理解しがたいとかなんとか言っても、ヒト型を取っている以上彼だって体の構造は同じはずなのに。
それなのに敢えてそんなことを言うのは、彼がこの状況を楽しんでいるからに他ならない。
「そんな冷たいことを言うなら、このまま止めてしまいましょうか? 私は如何様にでも処理できるので、一向に構いませんが――」
「そんな、っ……あ、あのっ」
この状況で放置なんて、生殺しもいいところだ。
薄い笑みを浮かべたままの空木さんに縋りついて、私はふるふると首を振った。
「では、どうしてほしいのか教えてください」
「……ど、どうしても、口で言わないとダメ……?」
「もちろん。……難しいようでしたら、手は貸して差し上げます。あなたが素直になれるように、ね」
耳元で囁かれる言葉は、どこまでも優しく穏やかだ。
けれどその言葉はこれ以上なく残酷で魅力的な――彼に心の内側を明け渡してしまうほどに、危険な誘いだった。
「いつものように、あなたの心の枷を外してあげましょう。なに、人心に介入するくらい、私にとっては赤子の手をひねるかのように容易いことだ」
「んっ……♡」
人差し指でそっと唇を撫でられて、甘ったるい声がこぼれた。
――悪いことをされるわけではないのだから、この申し出を受け入れてしまっていいんじゃないか。
グズグズに蕩けた心が、私の胸の奥でそう叫んでいた。
「快楽以外の刺激は加えないという制約を課し、疑似領域を生成してあなたを犯して差し上げる。……そうだ、昔みたいに遊んでみませんか? あなたは敵に捕らわれた、哀れで淫らなルナティック・シトラス――私はあなたの貞操を奪おうとする、悪の手先……とか」
クスクスと声を漏らして笑う空木さんを見て、私はがっくりと肩を落とした。
未だ体の内側にわだかまっている熱は逃げない。それどころか、先ほどよりも高まっている気配すらある。
――早く、彼の手でこの熱を発散したい。だから仕方がないことなのだと、自分に言い訳をする。
「……う、うん」
「素直でいい子ですね。……では、疑似魔導領域を生成して、これからあなたを」
一度だけ、唇同士が触れ合った。
一瞬感じた温もりが離れていくと、彼は眼鏡を取って舌なめずりをする。
「あなたを、洗脳します。決して快楽に抗えないよう、決して、私を拒まないように。……頑張って、可愛らしく抵抗してくださいね。ルナティック・シトラス?」
指を鳴らす音とともに、私の意識はずるりと引きずり込まれていく――彼の声がぼんやりとしていて、理解するまでに時間がかかった。
「……さて、これで大丈夫かな。ルナティック・シトラス? 聞こえていますか?」
「あ……ぁう、あなた、は」
目の前にいる人物は、私の大好きな空木さん――空木さんの、はずだ。
ぐにゃりと視界が歪んだかと思うと、頭の中に靄がかかったように現実の認知ができなくなる。
この人は――この人は、私の。
「私はウツギ。ウツギ・リーパー――あなたのことをここに捕らえた張本人ですよ、お嬢さん」
私の恋人、なのに。いや――彼が名乗った名前は、空木さんの……かつて、私と敵対していた時の彼が名乗っていた名前、で。
「……ぁ、ウツ、ギ」
あぁそうだ。ウツギ――目の前の男は、憎むべきプランツェ・オーダーの第三幹部。私の仲間を次々と倒した、いわば怨敵じゃないか。
「――疑似領域の洗脳効果が出てきたみたいですね。そう、今の私はあなたの敵だ。……あなたは私に敗北して、ここに捕らえられている。……ゲブリュル!」
笑みを深くしたウツギが、紅茶色の髪を揺らした。
それだけで心の内側から憎悪が滲みだしてきて――同時に、胸が痛いほどに強く締め付けられる。
倒さないと。この男を――そう、それが私の、ルナティック・シトラスの使命なのだから。
「あぁ……いい表情だ……! 普段の凛として清らかなあなたもいいが、憎悪に満ちたあなたも美しい。ねぇ、ルナティック・シトラス。あなた、今の自分の状況がわかっていますか?」
「なにを、訳の分からないことを――」
ブツブツと何かを呟き始めたウツギの言葉に私はハッとして自分の姿を確認した。
――一枚も服を纏っていない、無防備な姿。変身のために使用する疑似樹装も剥がされた私は、瞬く間に彼の眷属である触手に囚われてしまった。
「ひッ……! は、離して! なにこれ、気持ち悪いっ……!」
「酷いことを言いますね。さっきまで、この子たちと気持ちよさそうに戯れていたじゃないですか」
クッと喉を鳴らしたウツギは、黒光りする触手を私の足元に伸ばす――逃げようとして体を動かそうとすると、蛇のようなそれはぐるりと私の足首を捉えた。
「ッあ……!」
「逃がしませんよ。それに、逃げることなんてできないはずだ――体に力が入らないでしょう?」
「く、っ……離して、ぇっ! やだっ――こんな、ぬめぬめした……ッひ♡」
得体のしれない触手から逃れようともがいて見せるも、空木の言う通り体には力が入らない。
それをいいことに触手はずるずると私の体を這いまわって、ついには足の間にぶぢゅっ♡と吸い付いた。
「や゛、ぁあっ♡♡やら、ぁっ♡だめ♡だめなの――♡♡♡お゛ッ♡♡おほっ♡♡♡おまんこっ♡触らないでぇっ……!」
ぢゅっ♡♡ぢゅるるるっ♡♡♡ぷちゅっ♡ぢゅぷっ♡♡ぢゅぞぞぞっ♡♡♡
素早くおまんこをなぞったかと思うと、触手は割れ目に吸い付いて蜜を啜り始める。
いやらしい動きで蜜口を舐められながら溢れてきたものを啜られて、元々力が入らない体は簡単に快感に屈してしまった。
「んやぁっ♡あ゛♡ぁんっ……♡♡♡これ、なんでぇっ……♡体に、力が――♡♡♡」
「あなたのために作った、特製の媚薬を飲んだんです。……よく効くでしょう? もう体はとっくに限界のはず――そのうち、自分から肉棒をせがむようになりますよ」
そんなこと、死んだってしたくない。
逃げたいのに体に力が入らない。いや、なぜか体が意図的に力を抜いてしまっている。こんな男に穢されるくらいなら、相打ち覚悟で突撃するべきなのに。
「や、めぇっ……♡♡んく♡ふ、うぅっ♡♡♡」
「大丈夫ですよ、やまとさん。あなたに苦しい思いなんてさせませんから――これはちょっとしたおままごと。あなたは従順に、私の愛を受け入れてくれればいいんです」
「なにを……訳の、わからないことをっ……んぁああっ♡♡♡やめてぇっ♡お♡おまんこぢゅるぢゅるって吸わないでえぇっ♡♡♡」
ぶぢゅるるるっ♡♡♡と激しく淫蜜を啜り上げられて、頭の中でバチバチと火花が弾ける。
「お゛ッ♡♡おひっ♡♡♡やらっ♡ぁ♡♡あ゛ッ♡♡♡」
「嫌だと言いながら、先ほどから腰が動いていますよ? 可愛らしく喘ぎながら腰をくねらせて、まるで私のことを誘っているみたいだ」
「ちが、ぁあっ♡♡ちがうっ♡そんなのっ♡♡♡さ、誘ってなんか――」
ぶぢゅぅっ♡と嫌な音を立てながら、触手がクリトリスを刺激してくる……♡
イボイボのブラシ触手でクリトリス弄られるのすごい♡こんなの――我慢できるはずがない……♡♡♡
「お゛、ほぉぉおぉっ♡♡♡」
「あ、イっちゃいました? 堪え性がありませんね、ルナティック・シトラス?」
目の前が真っ白になって、体が不随意に痙攣する。
そんな私を眺めていたウツギは、そっと近づいてくるとそのままキスをしてきた。
「ん♡むッ♡♡んぢゅ♡ちゅぱっ♡♡♡ぢゅるるっ……♡♡」
嫌なのに――ウツギは、倒すべき敵なのに。
だというのに、キスをしただけで体が喜んでしまう。舌を絡められ、口蓋を軽くなぞられただけで嬉しくてどうしようもなくなってしまうのだ。
(なんでっ……だめ、こんなのだめなのに……抗えない……♡♡)
気が付いた時は、私は自分からねだるようにして彼の唇を貪り、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立てながら唾液を絡めてしまっていた。
永遠とも思えるほどに長いキスが終わると、二人の唇に名残惜しげな銀糸が繋がる。
「ん、ふぅっ……♡♡ふーっ♡ふーっ♡♡♡」
「やまとさん、可愛い……♡そうでしたね。昔は、こうして目が合っただけでもお互いのことを憎み合ってたんでしたっけ」
意味不明なことを呟くウツギが、そっと体に手を這わせてきた。
長い指で皮膚をなぞられるだけで、まるで燃え上がるように体が熱くなってしまう。
「ぁん♡♡んっ♡♡やだ――さ、さわらない、で……♡♡」
「期待で声が上ずっていますよ? 乳首も赤くなって、こんなに勃起している……本当はもっと気持ちよくなりたいのでは?」
甘い声音に、理性を総動員して首を横に振る。
だけど、それが精いっぱいだ。嫌だと思えば突き飛ばしてしまえばいいのに、彼の手を振り払うこともできない。
「負け、ないっ……♡プランツェ・オーダーの怪人になんか――絶対負けないんだから……♡♡♡」
「説得力ないですよ、やまとさん……いえ、ルナティック・シトラス。ここでは快楽に抗うことなんてできない。あなたの大切な先輩――ユピテル・ヴァイオレットも、今頃総統と似たようなことしてるんじゃないでしょうか」
すり……♡と軽く太腿を撫でられて、その気持ちよさで声が漏れ出てしまう。
この快楽に屈してはいけない――頭ではわかっているのに、体の奥、心の深い部分が彼を求め始めてしまっていた。
「まけないっ……♡まけたく、ないのにぃっ……♡♡♡」
「負けたくないのに、気持ちいいのには抗えない――そうですよね? あなたの体は、媚薬の催淫効果でどうしようもないくらいに高まっている。……こんな風に、ペニスを目の前にしただけで――」
ウツギが笑うと、ばるんっ♡と目の前に大ぶりのおちんぽが突き出される。
赤黒くグロテスクなほどに血管が浮き出たそれを目にした瞬間、子宮が痛みを感じるほどに強く疼いた。
(なに、これっ……♡おっきくて♡太くてっ……♡♡♡こんなの、挿入されたら――)
「舐めてください」
「っえ……?」
「ですから、シトラス――あなたの唇でコレを慰めてください。……欲しいんですよね? そんなに欲情しきった表情で、じっと見つめているくらいなんですから」
濡れた声を鼓膜に注ぎ込まれて、じゅわっ♡とおまんこから蜜が溢れた。
視線を下に落とすと、限界までいきり勃ったおちんぽが目に入る。口の中に唾液が溜まっていって、それを飲み込むとお腹の辺りがじわじわと熱くなり始めた。
「だ、誰がそんな……ぁ、あっ♡」
「やまとさん、フェラチオ大好きじゃないですか。……ここでは抵抗するだけ無駄ですよ。あなたはどんどん、その口まんこでちんぽを咥えたくなって仕方がなくなるはずだ」
キンッ、と高い音が頭の中で鳴り響くと、私の体は勝手に動き出す。
指先が丸い先端に触れ、凶悪な形状をしたおちんぽを愛しげに撫で上げてしまう。
「あ、ぁっ……♡やめてっ♡♡♡や♡ぁあっ♡♡」
ぬ゛ちっ♡ぬ゛ちっ♡♡と指先が勝手に動いて、ウツギのおちんぽを扱き始めた。
まるで恋人に奉仕をするみたいに、優しく幹を撫で上げ、唇が肉茎に吸い寄せられてしまう。
(だめ♡だめぇっ♡♡♡敵のおちんぽ舐めちゃう♡♡おしゃぶりご奉仕したくなっちゃう……♡♡♡)
「ぁ、あっ……♡んぶ、っ♡♡ん♡くぅっ♡♡♡」
自分の意志では、もう体を動かせない――相手は私たちの敵なのに、どうしても彼に褒められたくなる。犯してほしくなる。
「ん゛っ♡♡れろぉ……♡♡んふっ♡ぢゅっ♡♡♡」
舌で裏筋を舐め上げると、頭の奥がビリビリと痺れた。
もう何度もこうして彼を慰めたことがあるのではないか――私は、彼とこうしてセックスをしたことが何度かあるんじゃないだろうか。
そう思えるほど、自分の口腔奉仕が板についている。ウツギがどこに触れれば感じるのかが、頭で感がなくても理解できていた。
「んふぇっ♡♡んっ♡♡ゴツゴツのカリ高おちんぽ♡♡カウパーすごい♡♡♡」
「私もずっと我慢していましたから――美味しいですか、やまとさん?」
「お、おいふぃ……♡♡ちゅっ♡おちんぽ♡怪人おちんぽでお口まんこ感じちゃってる……♡♡♡」
ぢゅるっ♡ぢゅっ♡♡♡ちゅぱっ♡♡れろぉ~~~~♡♡♡ぢゅこっ♡ぢゅこっ♡♡ぢゅこっ♡♡♡
舐めるだけでは飽き足らず、先端を口の中に突き立ててゆるゆると頭を振る。
正義のヒーローであるルナティック・シトラスが、敵のおちんぽを舐めているなんて……♡
そう思うだけでどんどん濡れてしまって、シーツにはボタボタと蜜が滴った跡ができていく。
「んぐっ♡♡む゛っ♡む゛ぉっ♡♡♡」
「とても上手ですよ……ッく、よく手慣れているじゃないですか」
そんなことはないと否定したくても、おちんぽをしゃぶる動きが止まらない。
もっと――もっとしっかりと舐めないと。そうじゃないと、■■さんを気持ちよくしてあげられない……。
「ん、ぅっ……?」
「……シトラス?」
頭の中によぎった考えに、ぴたりと動きが止まった。
今――私は、誰のことを考えていたんだっけ。
「――おや、洗脳が解けかけている? これがあなたの強さなのかもしれませんが――無粋ですね。戯れの時くらいは、なにも考えずに快楽に溺れてしまいなさい」
「んぅぇっ♡お゛、ごっ♡♡♡」
ぼぢゅっ♡と音を立てて唇からおちんぽが引き抜かれ、ウツギの手が私の足に伸びた。唾液で濡れ光るおちんぽを太腿に押し当てた彼は、ふっと短く息を吐くと膣口にそれをぬぷぬぷと突き立ててくる。
「ひ、ぃ――い、やぁっ♡♡♡あ゛っ♡♡あ♡ぉ゛ひっ♡♡♡」
ぬ゛ぷぅ♡♡ぢゅぷ♡♡ずこっ♡ずこっ♡ずこっ♡♡♡
十分な質量を持ったおちんぽで一気に貫かれて、一気に思考が霧散する。
倒すべき敵のおちんぽ……おまんこに入っちゃったんだ……♡♡♡
「あ゛♡やぁあっ♡♡や、ぁんっ♡♡あっ♡あっ♡♡♡あ゛っ♡」
ぬぱっ♡ぐぽっ♡♡といやらしい音を立てて打ち込まれる肉の楔に、途方もない快楽が体を苛んでくる。
抗わなくちゃ――そう思っても愉悦に震える体は言うことを聞いてくれなくて、それどころか膣肉は彼を受け入れるようにうねうねと収斂を繰り返していた。
「は、ぁぅっ♡♡やらぁっ♡ウツ、ギ……♡♡」
「相変わらず、あなたのナカはとても狭くて気持ちがいい――ね? あなたも気持ちいいでしょう? やまとさんは――ココを思い切り突き上げられるのが、大好きですもんね?」
「あひ、ぃっ♡♡♡あっあ、あっ♡♡♡らめぇっ♡そんなっ♡♡ちがう♡ちがうの♡♡♡気持ちよくなんか――ん゛ひっ♡♡」
ぢゅこぢゅこぢゅこっ♡♡♡と勢いよくピストンを繰り返されたかと思うと、感じる場所を的確に突き上げられた。
(負けない♡こんなっ……♡怪人おちんぽになんて絶対負けないんだからっ……♡♡♡)
疑似樹装さえあれば、普段のようにルナティック・シトラスとして戦えたのに。そうしたら絶対に、こんなセックスで頭バチバチになるまで感じたりしなかったのに……♡
「あなたの感じる場所は全部知り尽くしているので、なにをしても無駄ですよ♡ポルチオ乱暴にノックされるの大好きなのも――」
「お゛、ッ♡♡♡」
「甘イキしながら触手で口の中犯されるのに感じてしまうのも――」
「んご♡ぉ゛♡♡♡ぉ゛むっ♡む゛、ぅうっ♡♡♡」
びちびちっ♡と魚のように跳ねた触手が、勢いよく咥内に突き立てられる♡
逃げられない――彼の手からも、触手からも……体の上も下も、おちんぽ突き立てられて感じちゃってる♡♡♡
「ふ、ぅうっ♡♡ぉぐっ♡♡ん゛っ♡んぶ、ぅうっ♡♡♡」
「喉奥犯された方が、ナカきゅんきゅんって締まってきましたね♡気持ちいいですよ――あなたの大好きなちんぽで、たっぷりと子宮を犯してあげます♡」
ぬぱっ♡ぐぽっ♡♡♡ぱんっ♡ぱんっ♡♡ぱんっ♡♡
だめ――もう、だめだ。おまんこ媚びちゃってる……♡
ウツギのおちんぽに負けちゃう――こんな気持ちいいの、もう……♡♡
「ッふ♡ん゛んっ♡♡♡ん゛~~~~~♡♡♡」
知覚した途端、心が折れるまではほんの一瞬だった。
強すぎる快楽の奔流に身を委ねて絶頂を極めると、追い打ちのようにピストンが強くなる。
「ぉ゛ッ♡♡ぉ゛ぅっ♡♡ん、ごっ……♡♡♡お゛っ♡♡♡」
ばちゅっ♡ばちゅんっ♡♡と思い切りおまんこの奥を突き上げられた瞬間、咥内を犯していた触手が勢いよく爆ぜた。
内側からは甘くてドロドロとした液体が溢れてきて、あっという間に私の口の中をいっぱいにしてしまった。
「――洗脳解除のための、特殊な体液です。そのまま飲み込んで……最後はいつもみたいに、ちゃんと恋人同士のセックスをしましょうか♡」
甘ったるくシロップのようなそれを嚥下すると、体がびくんっ♡と大きく一度跳ねた――その瞬間、それまで頭にかかっていた靄のようなものがどんどん晴れていく。
「けほっ……んっ♡んぁ――あ、う、空木……さん?」
「お帰りなさい、やまとさん。やっぱり寂しくなっちゃったので、洗脳解いちゃいました」
世界が輪郭を取り戻す。
ぱちぱちと目を何度か瞬かせると、頭の奥の方が鈍く痛んだ。
「っ……ぁ、ご、ごめんなさい――私……」
洗脳を解かれたと言っても、最中の記憶がまるで消えているわけではない。
いくらなんでも酷いことを言ってしまった――眉を寄せて謝ると、空木さんがそっと頭を撫でてくれた。
「やまとさんが謝るようなことじゃないですよ。大丈夫……久しぶりに、昔のことを思い出しました。懐かしくもあり、新鮮でもある」
クスクスと嬉しそうに笑う空木さんは、そのままそろそろと腰を撫でてきた。
奥深くまで彼のおちんぽを咥えこんだ体は、それだけでもびくびくっ♡と反応してしまう。
「あ♡ぁうっ♡♡ン――お、奥まで挿入って……♡♡♡」
「あなたがとても積極的だったので、思い切り貫かせてもらいました。……いやだって言いながら腰を振るやまとさんの姿は、正直興奮しましたが」
お腹の奥に感じる異物感が、ひときわ大きくなったような感覚。
腰をグラインドさせた空木さんは、そのまま容赦ない突き上げを再開する。蕩け切ったおまんこは、ぐぽぐぽと穿たれるたびに卑猥な音を奏で、とてつもないほどの快感を伝えてきた。
「は、ぁあっ♡♡♡や゛ッ♡ん゛ぉ♡お゛ッ♡♡♡おちんぽいいのっ♡♡♡ぁ♡あっ♡♡空木さんのっ♡極上カリ高おちんぽぉっ♡♡これっ♡これしゅきっ♡♡♡お゛ッ♡お゛ッ♡♡ぉ゛~~~~っ♡♡♡」
どちゅっ♡どちゅぅっ♡♡♡ぬ゛こぬ゛こぬ゛こぬ゛こっ♡♡♡ぶぢゅっ♡ぢゅ~~~っ♡♡♡
「お゛、ぁ゛っ……♡♡らめ、ぇ゛ッ♡♡♡ポルチオ思いっきりっ♡あ゛♡♡これっ……♡♡」
思い切り激しく突き上げられたかと思うと、今度は子宮口に亀頭を押しつけられたまま動きを止められる。
焦らされてもどかしい私は自ら腰を振ろうとするけれど、空木さんの手がしっかりと腰を掴んでいて動かせない。
「や゛、ぁあっ♡♡やらっ♡イきた、ぃっ♡♡♡イかせて♡♡空木しゃ、ぁ♡♡」
「イきたい? じゃあ――ルナティック・シトラスは恋人の怪人ちんぽに負けました、って宣言してくれます?」
ぬ゛る~~~♡♡とゆっくり腰を引き抜かれながら、そんなことを言われる。
もうとっくに洗脳は解けているのに、なんでそんなことを言わせたがるんだろう。
そう疑問に思ったものの、お預けされたもどかしさでつい口を開いてしまう。
――ここには誰もいない。私たち以外が聞いているわけでもないんだし……少しくらい、いいよね。
「ぁ、うぅっ……♡ま、負けました、ぁっ♡正義の味方のっ♡ルナティック・シトラスはぁっ……♡♡空木さんの恋人おちんぽに負けちゃいました♡♡♡おっきい怪人ちんぽに♡おまんこぐぽぐぽってされてっ♡♡チン媚び止まらないよわよわおまんこにされちゃいましぁっ♡♡♡」
「――それだけ?」
涼しげな表情を浮かべた空木さんが耳元で囁いてくる。
……本当にこの人は、顔は綺麗なのにとことん意地悪だ。
「っ、くぅっ♡♡しきゅ、ぐりぐりってされてっ♡♡♡イく♡イかされるのぉっ♡♡♡空木さんのおちんぽでイく♡♡ぅっ♡♡」
「それで?」
「ッ、~~~♡♡♡か、勝てませんでした♡おちんぽにっ♡♡恋人おちんぽに勝てないの♡♡ぉっ♡おほっ♡♡イくイくイくぅっ♡♡♡」
多少は満足してくれたのか、もったいぶった動きを止めた空木さんは再び強く腰を打ちつけてくる。
その頃には私もすっかり出来上がっていて、自分で情けなく腰を振りながら気持ちいい場所に彼のおちんぽを擦りつけ、軽い絶頂を繰り返していた。
「あ゛♡ぁううっ♡♡イってる♡イってりゅからぁっ♡♡♡」
「一度や二度イかせたくらいじゃ収まりませんよ、こんなの――ッく、ナカ狭くて、温かくて……とっても気持ちいいですよ、やまとさん♡」
にゅぷにゅぷ♡ぢゅぷっ♡♡ずこっ♡ずこっ♡♡♡ごりゅりゅっ♡♡♡
「あ゛、ぉ゛ッ♡♡ぉ゛、~~~~ッ♡♡イ、ぅうっ♡♡お゛ッ♡ひぃ、っ……♡♡」
深いところまで丁寧に暴かれて、どんどん絶頂の波が強くなっていく。
体をガクガクと痙攣させながら何度イっても、まだまだ空木さんは満足してくれない。
「あ♡もっ……♡ら、してぇっ♡♡♡ナカに、っ♡しゃせーしてぇっ♡♡♡ぉ゛♡ぉひっ♡♡♡」
「ん-、じゃあ一度注いてあげますね。小さな子宮に――こうやってっ♡」
どぢゅっ♡と重たい突き上げを受けて、それだけでも軽くイってしまう。
子宮口にグリグリと押し付けられた亀頭から、勢いよく白濁液が注ぎ込まれたのはその時だった。
「あ゛、ぁ~~~♡♡♡あちゅ♡あついのっ♡♡いっぱいでてっ……♡お゛ッ♡お♡せーえきでてるぅっ♡♡♡」
びゅぷぅっ♡びゅっ♡♡♡ぶびゅっ♡♡♡びゅ~~~~っ♡♡
こってりとして濃厚で、火傷しそうなくらいに熱い精液出されてる♡射精されただけでイく♡♡
「あ゛♡あ゛ぇっ♡♡♡や、りゃぁあっ♡♡♡お゛ッ♡♡お♡♡♡」
「精液で子宮犯されるの気持ちいいですよね……♡頭の中ぐちゃぐちゃになって、もう余計なことは考えられないでしょう?」
ちゅうぅっ……♡と唇に吸い付きながら長すぎる射精を終えた空木さんは、たっぷりと中出しされた私のお腹を擦りながら愛しそうに囁いた。
――そう、だ。今は……今だけは、彼のこと以外考えられない。
世界のことも、仲間のことも――空木さんとえっちしてる時は、考えなくたっていい。
「ん……♡」
「じゃあ、もっといっぱいセックスしましょう? あなたの不安が消えて、また元気な気持ちになれるまで」
――それまで、何度でも犯して差し上げます。
うっすらと笑いながら優しく下腹部を撫でる感触が愛しくて、私はそっと彼の唇に自分のそれを押しつけたのだった。